Campagnolo(カンパニョーロ)スプロケット交換

先日、愛車(自転車)のスプロケット(後輪のギア歯)交換をしました。
普段、自転車のメンテナンスや部品交換はショップにお任せの私ですが、この程度ならとのチャレンジ(大袈裟)です。

私の自転車のコンポーネントは、イタリアのCampagnolo(カンパニョーロ)社製。
多く流通するSHIMANO(シマノ)社のものとは異なります。
1999年頃にそれまで使用していたシマノからなんとなくカンパニョーロ(以下カンパ)に変えて以来、何世代か愛用を続けています。

そもそも今回交換に至ったのは、歯飛びするようになってしまったから。
歯飛びとは、力を入れてペダルを踏みこむと、一部のギアでガツンとチェーンコマが飛んで空転してしまう現象です。
その原因は、チェーンとスプロケット歯の関係にありました。

実は年明けにチェーンが伸びている(リンク部分が削れて間隔が開く)ことに気づき、ショップにて新品のチェーンに交換してもらいました。
しかし、旧い伸びたチェーンで削られたスプロケットの歯が新しいチェーンのピッチと合わず、新品に換えたことで逆に歯飛びするようになってしまったのです。
その原因はこれまでの経験ですぐにわかりましたが、これを直すには新しいスプロケットに交換するしかありません。

そこで、早速新しいスプロケットを調達。
しかし、これまで使っていたSUPER RECORD(スーパーレコード)のスプロケットにはチタンが多用され、とても高価です。
5年ほど前はコンポーネントのセットで(勢いで)入手しましたが、ある種消耗品と考えるととても踏み切れません。
そこで、すべての歯がスチール製のCHORUS(コーラス)グレードのスプロケット(11スピード)を入手しました。

カンパコーラススプロケット(11S)

カンパコーラススプロケット(11S)

カンパのスプロケット(11S)は、コーラスグレード以上の基本的な構造は同じ。
すべてスチール製なのがコーラス。
ロー側から3枚がチタン製になっているのがレコード。
ロー側から6枚がチタン製になっているのがスーパーレコードです。

今回入手したコーラスでは、すべての歯がスチールなので銀色に輝いています。
本来であればこれをそのままセットすればよいのですが、今回はちょっと異なる作業となりました。

私が使用するスプロケットはトップ12Tからロー25Tの11スピード。
そして今回歯飛びすることが判明したのは17T、18Tの2枚です。
スプロケットはロー側から3枚、3枚はユニットになっており、一枚単位では変更できませんが、ユニットまとめてなら変更可能です。
歯飛びする17T、18Tはいずれもロー側から二つ目のユニット。
つまり、そこさえ新しいものにすれば、他は以前のものを使用できるのです。

とは言え、トップ側5枚はこれまでもスチール製。
ここを旧いままにしておく意味はありません。
そこで、ロー側3枚のユニットのみこれまでのものを使用し、ロー側3枚がチタン、つまりレコードグレードとして使用することにしました。
もちろん、実走テストにてロー側3枚の歯飛びはしないことを確認の上でのことです。

ひとまず、現在ついているスプロケットを外します。
これには別途入手したスプロケット廻しロックリング廻しを利用します。

スプロケットを外す

ロックリングは正ねじ。
ロックリング廻しで左方向に廻そうとするとフリーが空転してしまうため、スプロケット廻しでそれを抑えて廻します。
写真では寝かせていますが、実際にはホイールを立てて行いました。

スプロケットのロックリングを外した後、旧いスプロケットを抜き取り、洗浄します。
捨てる部分もオイルまみれでは何なので洗いますが、流用するロー側3枚(21T、23T、25Tのユニット)は特に念入りに洗浄しました。

さて、これで準備は完了です。

スプロケットをばらす

新しいコーラススプロケットの内、ロー側3枚のユニットは使用しないため、ガイドに残しておきました。
本来全部交換するのであれば、白いガイドをフリーボディ内側にセットしてスプロケットをずらせば装着できるようになっています。
今回、ここでばらしたことで失敗もあったのですが、それは後程。

フリーボディのグリスを拭き取り、新しいグリスを塗ります。
そして、チタン製のロー側3枚(これまで使用していたもの)をセット。
カンパのスプロケットはフリーボディと合わせ一部内側の突起が特殊形状となっており、セットする時に迷う要素はありません。

ロー側3枚のユニットを装着した後は、新しい3枚のユニット、そしてトップ側のギアをセットしていきます。
間に挟むスペーサーは二つ目のユニットの後のもの以外共通のようですが、念のためもともとセットされていた通りにつけていきました。

ギアをセットしていく

トップギアをセットし、ロックリングを手で廻し込みます。
そして、ロックリング廻しでロックリングを締め込んでいきます。
今度は右廻しなので、フリーを固定する必要はありません。

ここで、大失敗。
装着する時に気づかなかったのですが、ロー側3枚のユニットを装着した後、スペーサーを入れるのを忘れていたのです。
にもかかわらずロックリングを力いっぱい締めてしまったため、ロックリング内側のスプリング(ワッシャー)を壊してしまいました。

ロックリングスプリングを壊す

ロー側から二つ目のユニットのスペーサーは特殊なもので、ユニットに嚙み合ってすぐには外れないようになっています。
しかし、ロー側ユニットのスペーサーは他のものと同じく独立しているのです。
それをセットし忘れた挙句、ロックリングを締める前に間隔をチェックしなかった完全なミスでした。

気を取り直して、以前のロックリングを使用して再度チャレンジ。
もちろん、スペーサーはしっかりとセットしました。

再度チャレンジ

完了!

今度は難なく完了。
ロックリングは壊してしまいましたが、フリーボディのねじ山を壊さず何よりでした。
ちなみに、ロックリングの締め付けトルクは40Nmとのこと。
もちろんトルクレンチを使用してはいませんが、トップギアとロックリングに刻まれたギザギザが噛み合ってゴリゴリと音がする程度に締め込みます。

新しいスプロケットをつけたホイールを自転車に装着。
変速のチェックも行いましたが、問題ありません。

自転車にセット

そしてこの日、インナーローからアウタートップまで使うコース100km程を走りましたが、実に快調です(あくまでもギアは)。
逆にこれまで伸びたチェーンとすり減ったギア歯でトルクのロスがあったことも実感できました。
脚には若干きますが、その分推進力は確実に増しています。

以上、ミスもありましたが、スプロケットをすべて新しいものに換えるのであれば起こりようもないミスです。
道具さえあれば意外に簡単な作業。
不器用な私でもどうにかなるスプロケット交換でした。


  

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運と機材頼りの「月面X」

2017年1月5日の月面X

昨日(1月5日)、打ち合わせを終えた朝霧高原でふと外に出て空を見ると、月が浮かんでいます。
きれいな上弦の月に、思わず車からカメラを取り出しました。

機材は偶然積んでいたCanon EOS 7D Mark ⅡSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryです。
35mm判換算で960mm相当の画角になるこの組み合わせで、月を狙います。

狙うとは言え、いつものズボラ撮影。
手持ちでISOは400に固定、絞り優先f8.0、月面のクレーターが写るようにと露出補正-2段です。
カメラが設定したシャッター速度は1/100秒でした。

換算960mmで1/100秒手持ちは厳しい条件ですが、レンズ手ブレ補正機構のおかげもあり(拡大するとブレはあるものの)ひとまず撮影ができました。
素人が適当に撮ってこれだけ写るのですから、大きく、重くとも、やはりこの機材の破壊力は凄いと実感します。

こうして撮影した画像を拡大して見ると、なんと月の断面に“X”の文字が浮かび上がっているではないですか!
本当に偶然ですが、この時は通称「月面X 」が見られる日、そして時間帯だったのです。

写真はトリミングしていますが、それをせずともわかる程に、この日のそれははっきりと見えていました。
もちろん、肉眼では月が小さく、そして明るすぎて見えませんが・・・。

以前はSNSで情報を得て、狙って撮った月面X。
たまたま持っていた機材で何気なく撮った月にそれが見えたことで、なんとなく嬉しくなった夕暮れでした。
何かよいことあるかな? あるといいなの2017年です。

 

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SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary(導入編)

今回ご紹介するのは、デジタル一眼レフカメラ用超望遠ズームレンズです。
SIGMA(シグマ)社のこのレンズは、35mm判フルサイズ対応で手軽に超望遠域を楽しめるとあって人気のレンズ。
開放F値こそ明るくはないものの、このレンズでなければ味わえない領域(価格面含め)があることも事実です。

私はかつて同社のSIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM(以下50-500mm)を愛用していました。
このレンズは10倍ズームの利便性(大きく重いですが)を持ちながら画質もほどよく、気軽に超望遠域を楽しめる点では当時唯一無二のものでした(同社の150-500mmもありましたが)。

しかし、その後TAMRONからさらに望遠端を伸ばした150-600mmの超望遠ズームレンズが発売され、さらにSIGMAも同焦点域のズームレンズを二機種発売するなど、この種のレンズも活況を呈してきました。
何しろフルサイズ対応で500mm、600mmといった焦点域のレンズをCanon(キヤノン)純正で手に入れようとすれば、単焦点で80万円以上ととても手の出る価格ではありません(少なくとも私には)。
ちなみに、Nikon(ニコン)には、フルサイズ対応超望遠ズームレンズ、AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRがありますが、これはTAMRONのOEMではないかと推察されています(真偽は不明)。

そんな中、使用頻度や費用捻出の面から一旦は50-500mmを手放した私ですが、富士山に絡めた月や太陽の写真を撮る際にはやはりこの手のレンズが必要と感じ、主にCanon EOS 7D Mark Ⅱ(以下7D2)と組み合わせて使用すべく再度入手することにしたのです。

入手にあたっての候補は三つ。
SIGMAの150-600mmがSportsContemporaryの二機種、それに加えTAMRONの150-600mm(Model A022)です(2016年10月現在)。

TAMRON Model A022は同年9月に発売されたばかりの改良型。
それまでのモデルよりAF速度や描画が改善されたとの評判でした。
しかし、発売後間もないため価格が高かったこと、またズームリングの回転方向がキヤノン純正レンズと逆(ニコンと同じ)であること等から、今回はSIGMAの二機種から選ぶことにしました。

SIGMAのレンズ二機種の焦点距離、開放F値はどちらも同じ。
Sportsは主に金属製の鏡筒で、フードも含めがっちりした造り。
レンズ前面近くに大きなFLDガラス二枚を使用し、描画にも定評があります。

これに対しContemporaryはエンジニアリングプラスチックを多用したボディで(比較的)軽量。
FLDガラスはマウント近くに一枚ですが、前面にSLDガラスを使用し、描画に関してはSportsに引けを取らないとの評判です。

双方の重さはSportsが2.86kgに対しContemporaryが1.93kg。
そして、実勢価格には7~8万円程の開きがありました(2016年10月現在)。

ずぼら手持ち撮影がほとんどの私は、価格面も含め迷いは少なく、SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary(以下150-600mm)を選択しました。

相変わらずどっしりとした箱を開けます。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryパッケージ

取り出したレンズはやはり重量級で巨大ですが、50-500mmで慣れていたせいもあり、違和感はありません。
50-500mmが重量1.97kgでしたから、ほぼ同じと考えてよい重さです。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

見た目の印象は、少々ツルンとした感じ。
50-500mmのメカメカしさとはよくも悪しくも異なります。
おそらく、フォーカスリングが細く、控えめなデザインになっていることも大きいでしょう。

大きさを比較するため、Canon純正のEF-70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM(以下70-200mm)と並べて見ます。

EF-70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMと比較

こうして見ると、サイズ感にそれほど差はありません。
もちろん、150-600mmの方が長いですし、重量も440g程大きくなります。
それでも、これなら何とか手持ちで振り回して使えると(少なくともこの時点では)思いました。

側面にあるスイッチ類を見てみます。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

フォーカスリミッターは被写体との距離10mを境に切り替えることができます。
最短撮影距離が2.8mであることを考えると、この距離はやや微妙です。
明確に遠景を撮ると決まっているとき以外はFULLで使用することになります。

OS(手ぶれ補正)モードは1(通常)、2(流し撮り用)とOFFが選択でき、これは50-500mmと同様です。
流し撮り時のアルゴリズムは新しくなっているとのことですが、私はこのレンズで流し撮りをしない(少なくとも現時点では)ためよくわかりません。

フォーカスモードはAFとMF以外に、MOが追加されています。
モードをAFにセットしておいても、ピントリング操作で即座にマニュアルフォーカスできる(フルタイムマニュアルフォーカス)ことに変わりはありませんが、コンティニアスAFの最中でもそれが可能になるのがMOモードです。
モータースポーツや動物等を撮る際には上記流し撮り用OSモードとともに役立つのでしょうが、風景メインの私には使う機会がなさそうです。

ズームリングすぐ後ろにあるズームロックスイッチは、ズームリングに刻印された焦点距離ごとにロックすることが可能になりました。
50-500mmは広角端のみでのロックだったので、この点は一歩前進です。
任意の位置でロックできればなおよかったのですが、そこは今後に期待でしょう。

おっちょこちょいで臆病な私は、レンズ前面に保護フィルターを装着します。
このレンズのフィルターサイズは95mm。
さすがにこの大きさになるとフィルターも高価ですが、価格とのバランスを考え、Kenko MC プロテクター NEO 95mmを購入しました。

Kenko MC プロテクター NEO 95mm

フィルター、フードを装着したレンズを、7D2にセットします。
ううむ、やはり迫力。
全体的にプラスチッキーな感じ(実際プラスチックですが)は否めませんが、それでも存在感は抜群です。

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

さて、眺めていても何も写らないので、覚悟をもって持ち出します。
私の場合、車での移動がほとんどなので、そこから取り出すまでは大きさ、重さをそれほど気にせずに済むのが幸いです。

まずは、試し撮りです。
持ちやすさで言うと、50-500mmの方がしっくり来た気がします。
それは慣れかもしれませんが、形状的なものかもしれません。
ただ、重さに関しては、実際の撮影でも過度なストレスにはならず、バッテリーグリップを装着していない7D2とのバランスも悪くありません。

ファインダーを覗いてまず最初に感じたのは、OS(手ぶれ補正)の動作に関してです。
50-500mmではシャッターボタンを半押ししてフォーカスロックするとファインダー像が安定し(ゆったりと動くのですが)OSの効果を実感できたのですが、150-600mmのそれは本当に効いているのか?と思う程安定してくれません。
正直、壊れているのではと疑心暗鬼になり、何度もスイッチを切り替えて試した程でした。

そんな状況ですが、OSは確かに動いているようなのです。

OSモード1

OSオフ

上の写真一枚目はOSモード1にて撮影、二枚目はOSをOFFにして撮影したものです(いずれも望遠端、シャッター速度1/200秒)。
手持ち撮影なので構図はズレていますが、できるだけ脇を締め、手ぶれしないように撮影しました。

撮影した結果を見てみると、確かにOSモード1は効いていることがわかります。
しかし、ファインダー内での像の暴れにはほとんど違いが見られず、構図を定めるのに大変苦労しました。
実際、デフォルトでの設定はファインダー像の安定よりシャッターを切った瞬間の補正効果を優先し、最大化したものとのことです。

実は、シグマのレンズには、同社のUSB DOCK(USBドック)を用いてカスタマイズできる機能があります。
この設定の中にOSのモードに関するものがあり、それを“ダイナミック”に変更するとよりファインダー像が安定するとのレビューもあります。
そこで、実際にモード変更をして試したいのですが、それだけのためにUSB DOCKを購入するのも躊躇われました(実勢価格4,000円程度)。
そのため、しばらくはこのまま使って慣れたいと思いますが、AFリミッターの設定等も含め、いつかはUSB DOCKを入手することになるかもしれません。

上記ファインダー像の安定という面からも、少なくとも現設定での風景撮影においては、50-500mmに比べ三脚の使用頻度が高くなる傾向にあろうかと思います。
もっとも、望遠端+100mmもあるので、そうした方がよい面もあるのでしょうが。

その望遠端を実感するために、富士山の撮影をしました。
撮影地は富士市岩本の茶畑からです。

広角端150mm(換算240mm)で撮影

500mm(換算800mm)で撮影

望遠端600mm(換算960mm)で撮影

相変わらずの手持ち撮影で失礼致しますが、一枚目の写真は広角端150mm(7D2はAPS-Cなので換算240mm)での撮影。
二枚目は50-500mmの望遠端に合わせ500mm(換算800mm)での撮影です。

そして三枚目は今回のレンズの真骨頂、望遠端600mm(換算960mm)での撮影。
500mmとの差がお判りになりますでしょうか。
都市部のビル等を撮ればもっと明確に違うのかもしれませんが、そうした環境にいないのでいつも富士山(剣ヶ峰)が基準になってしまいます。

お次は、解像感です。
いくら廉価版ズームレンズと言っても、そこはフルサイズ対応レンズ。
シャキッとした写りには期待したいところです。

まずは、月を撮ってみました。

望遠端600mm(換算960mm)での撮影

上の写真等倍切り出し

くどいようですが、これも手持ち撮影です。
空にポカンと浮かぶ月を望遠端で撮影します。
一枚目の写真はノートリミング。
二枚目の写真はその一部を等倍切り出ししたものとなります。

手ぶれ補正のファインダー像は相変わらずですが(設定を変えていないので当然)、手ぶれ補正自体はよく効いてくれているようです。
もっとも、この時の設定は絞りf8でシャッター速度1/640秒ですから、それほどブレにシビアな状況ではありません。

等倍切り出しでの画像を云々いうことには賛否がありますが、デジタル時代の昨今、トリミングも積極的に行うケースが多いため、私もつい気にしてしまいます。
もちろん、手持ちの単焦点レンズ等と比較すれば解像感は明らかに劣りますが、焦点距離、被写体との距離を考えれば贅沢は言えません。
充分納得の範囲です。

もうひとつ、冠雪の富士山でも望遠端撮影、等倍切り出しの例を掲載します。

望遠端600mm(換算960mm)での撮影

上の写真等倍切り出し

一枚目の写真に写っている飛行機は、肉眼では全く見えませんでした。
ファインダーでも気づかず、パソコン上の画像ではじめて確認できました。
そう言う意味では、やはり600mm恐るべしです。

そして、一枚目の写真から剣ヶ峰付近を等倍切り出ししたのが二枚目の写真です。
剣ヶ峰に向かう「馬の背」の柵も写っているのがお判りいただけるかと思います。
さすがに等倍切り出しで旧富士山測候所のディテールを見て取るのは難しいですが、ここまで写るのであれば三脚+二倍テレコン等も試してみたくなります。

このレンズ、私の場合使用頻度は高くないものの、やはり一本あって損はないものだと再認識しました。
空気の澄んでいる冬場は、こうした超望遠レンズの出番が多くなります。
そんな光景をこれからどんどん撮ってご紹介できればと思います。

あくまでも現段階でのイメージですが、以下の通りです。

・質感は50-500mmの方がやや上か。しかしチープな感じはしない。

・大きさ、重さは許容範囲。

・三脚座は少々頼りない見た目だが、アルカスイスプレート装着で違和感なし。

・望遠端の写りは50-500mmのそれと比べそん色なしだが、やはり一段絞りたい。

・7D2との組み合わせでのAFスピードは大きなストレスなしで精度はまずまず。

・デフォルト設定での手ぶれ補正時ファインダー像は安定しない印象、設定変更したい。

・望遠端600mmはやはり強烈、圧縮効果もインパクトあり。

・持ち出すのは億劫だが、あると楽しいし撮影の幅も広がる!

私的には最後の点がほぼすべてです。
これだけ持ち出すのが億劫なレンズも珍しいですが、やはりこれでないと撮れない写真があることも事実です。
つまり、私にとって必要なレンズと言うことでしょう。

今後に向けては、フルサイズセンサーのカメラ(Canon EOS 5D Mark Ⅲ)での撮影や、シグマ純正のテレコンバーターUSB DOCKなども追加し、その真価をさらに高めていきたいとも思います。
特に、50-500mmと比較して大きく違和感のあるOSの効き(と言うよりファインダー像の安定)に関しては、是非とも他のモードを試して再評価したいと思っています。
つまり、結局はUSB DOCKが必要ということですね。

「600mmで何を撮るか」目的を明確に持って入手すべきレンズだと思いますが、その世界に興味がある方は是非一度味わってみてください。

  

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Canon PowerShot G9 X

サイクリング(ロードバイク)時のカメラは何がよいのでしょう?
これは、私にとって永遠のテーマ(大袈裟)です。

これまで、Canon IXY DIGITAL50にはじまり、FUJIFILM FinePix F200EXR、RICHO GR DIGITAL Ⅱ・Ⅲ、Panasonic LUMIX DMC-LX3、Canon PowerShot S100・S120、SONY Cyber-shot DSC-RX100FUJIFILM XF1Canon PowerShot G7 XPanasonic LUMIX DMC-GM1SFUJIFILM X70などを使用してきました。

その中でも、近年一番この用途に向いていると感じたのが、Canon PowerShot G7 X(以下G7X)です。
広角24mmスタート(35mm判換算)の4倍ズームレンズを備え、コンパクトデジカメとしては大きめの1.0型CMOSセンサーを搭載、サイクルジャージの背中ポケットに無理なく入るサイズで、操作しやすいインターフェースを実現していたからです。
実際、このカメラは一年以上に渡ってサイクリングの友となり、様々なシーンを記録してきました。

そんなG7Xですが、ちょっとネックだったのは重さです。
サイズ的に無理はないのですが、厚みがあり重心が外に向くせいか、ポケットに入れるとずしっと感じます。
走行距離が伸びてくるとこれが地味に響き、身体の重心を取るために真ん中のポケットに移し替えて走っていました(通常カメラは取り出しやすい右ポケットが好み)。

そんな中、キヤノンはこの1.0型センサーを用いたPowerShot Gシリーズのバリエーションを次々に増やしていきます。
換算600mmまでの高倍率ズームを搭載したPowerShot G3 X、EVFを内蔵し使い勝手をよくしたPowerShot G5 X、より小型・軽量にこだわったPowerShot G9 X、最新の映像エンジンDIGIC 7を搭載した後継機PowerShot G7 X Mark Ⅱです。

サイクリングカメラとしてのG7Xの重さが気になっていた私は、今回それをPowerShot G9 X(以下G9X)へと換えることにしました。
なぜなら、G9Xの大きさ、重さはこれまでベストバランスだと考えていたCanon PowerShot S120(以下S120 )に近いのです。
G9Xの重さはバッテリー、メモリーカードを含んで約209gで、S120の約217gより軽くなっています。
そして、厚み(奥行)こそ1.8mm厚いものの、幅と高さはそれぞれ2.2mm、1.1mm小さくなっています。

もちろん、それに伴い割り切るべき点もあります。
G7Xと比較し、G9Xでは以下の点に注意が必要です。

・光学ズームが換算28~84mm(G7Xは24~100mm)
・レンズの開放F値がF2.0~F4.9(G7XはF1.8~F2.8)
・背面液晶モニタが固定式(G7Xは上側180度チルト)
・背面コントローラーホイールがなくボタン類も少ない

最も大きな違いは、レンズの画角でしょう。
特に、広角端が換算28mmであることは、風景を多く撮るサイクリング時においては少なからず影響があります。
しかし、G7Xの(特に最短撮影距離付近での)広角端画質には不満が残っていたことも事実。
ここは、無理ない設計での画質に期待したいところです。

他に、コントローラーホイールがないことによる操作感への影響は大いに懸念していましたが、これは実際に使い込んでみないとわからないと割り切りました。

そんなわけで我が家にやってきたG9X。
カラーはちょうど在庫があったブラックを選択しました。
早速、パッケージを開けてみます。

PowerShot G9 Xパッケージ

取り出したのは、カメラ本体、バッテリー、充電器のみ。
G9Xはカメラ本体でのUSB充電に対応しているため、充電器は必ずしも必要ではありません。
ただ、私はバッテリーを取り出して充電器でチャージする癖がついているので、こちらを使用します。
チャージ用のUSBケーブルでなく、充電器を標準セットにする(USBケーブルは別売)あたり、キヤノンの考え方なのでしょう。
もっとも、充電端子は標準的なmicroUSB(Btype)なので、既にお持ちの方も多いと思います。

取り出したもの

さて、本体ですが、これはショップで実物に触れていたため、そのサイズ感はわかっていました。
それにしても小さく、軽い! これはちょっとした感動です。
実際、1.0型センサー搭載でその大きさ、軽さに衝撃を受けたSONY Cyber-shot DSC-RX100と比較しても30g以上軽いのです。

PowerShot G9 X本体

G7X同様、レンズの周りにはコントローラーリングが備えられています。
背面のコントローラーホイールが省かれている分、このコントローラーリングは各種操作にて多用することになります。

次に、背面を見てみます。

PowerShot G9 X本体背面

実にシンプルです。
逆に、これだけで大丈夫なのか?と不安になるレベル。
この時点では、タッチパネルでの操作を多用する必要があると覚悟をしました。
なお、再生ボタンは本体上面に移動しています。

PowerShot G9 X本体側面

本体側面のカバーを開けると、USB充電用を含む端子類が現れます。
カバーのつくりはちょっとチープで、耐久性に不安を残します。
このあたりは、FUJIFILM X70のようなつくり込みに期待したいところです。
ただし、先述の通り私はUSB充電を多用しないので、それほど問題にはならないでしょう。

私の主目的はサイクリング時の使用なので、ストラップは装着しません(背中ポケットに入れる際邪魔になるため)。
しかし、子供たちとの外出など、ちょっとした撮影場面でも活用したいので、カラビナのついたポーチを購入します。
今回選択したのは、HAKUBAのシューティングケース(M)と言うもの。
店頭で購入しましたが、メーカーWEBサイトを見るとどうやら既に製造していないようです。
同様のサイズでの後継モデルはピクスギア タフ03 Mなので、これでちょうどよいサイズでしょう。

さて、実際に撮影に持ち出してみます。
このカメラの本領発揮!サイクリングシーンでの使用感です。
一口にサイクリングと言っても色々ありますが、私の場合ロードバイクで50~150km程走るものを想定しています。

いつも通り、汗除けのビニール袋にカメラを包み、サイクルジャージ背中ポケットに入れます。
やはり第一印象は軽い! 小さい!
かつて愛用していたPowerShot S120の懐かしい感覚が蘇ります。
当時と同じく、右側のポケットに入れてスタートしました。

自宅から富士市へ。
下り基調で時折平坦が混ざるコース。
背中のカメラは、その存在を忘れるほどです。
むしろ、真ん中のポケットに入れているiPhone 6 Plusの方がより主張していました。

陸橋でのダンシングでも、跳ねる感じはなし。
その先で歩道橋へと上り、この日初めての撮影をします。

PowerShot G9 X広角端での撮影

この写真は広角端、換算28mmでの撮影です。
少なくともこのシーンでは、G7Xとの差換算4mm(広角側の4mmは結構大きいのですが)を意識することはありませんでした。
なお、画像は特に表記ない場合、Pモードでの撮影、JPEG撮って出しでリサイズのみしています。

友人と合流し、富士川沿いを走ります。
そして、新東名高架下で一枚。
こちらも広角端での撮影です。

PowerShot G9 X広角端での撮影

使い勝手は思ったよりもよく、コントローラーホイールがないことの違和感はすぐにぬぐえました。
少なくとも撮影においてタッチパネルを使用するケースはほとんどなく(Pモード撮影)、ボタンとコントローラーリングの併用で行えます。
撮影時にタッチパネルを使うのはAFポイントの移動(これはG7Xでも同様)程度と言う印象でした。
レンズ周辺のコントローラーリングで露出補正がダイレクトに行え、これは逆に好印象です。

ちょっと慣れないのは、再生ボタンの位置(上面)でしょうか。
私は撮った画像をすぐに確認する癖があるため、頻繁にこのボタンを使用します。

また、画像の削除に関しては、再生後に[設定ボタン]-[設定ボタン]-[コントローラーリング]-[設定ボタン]と4アクション必要なので、手間はかかります(タッチパネルを使わない前提で)。

この後、30km程アップダウンのある道を走りましたが、走行中はカメラのことを忘れていられます。
右ポケットにカメラを入れておいても、腰の痺れや痛みはおきません。
やはり、小ささ、軽さは正義なのです。

途中、見かけた祭りの光景を撮影します。

PowerShot G9 Xでの撮影 title=

こちらの写真は望遠端寄りで撮っています。
G7Xと比較すると望遠端も短い(換算84mmと100mm)ですが、少なくともここでは違いを意識せずとも済みました。

朝から数枚撮って感心したのは、逆光への耐性です。
これに関しては、G7Xを上回っている感覚。
レンズ構成の関係なのでしょうか。

PowerShot G9 Xでの撮影

PowerShot G9 Xでの撮影

どちらの写真も、もろに晴れの太陽が写り込んでいますが、コントラスト低下も見られず、目立ったゴースト・フレアもありません。
画像処理をしていないため暗部は落ち込んでいますが、持ち上げるとしっかりと写っています。
下の写真は、Adobe Photoshop Elementsにてシャドウを明るくしたものです。

PowerShot G9 Xでの撮影

PowerShot G9 Xでの撮影

この日は、国道300号(本栖みち)を走り、あさぎりフードパークへ。
そこで開催されていたシクロクロスミーティング C1を観戦しました。

以下は、そこで撮影した写真です。
なお、それぞれ明るさ、コントラストを調整済み、一部はトリミングをしています。

PowerShot G9 Xでの撮影

PowerShot G9 Xでの撮影

まずはスタートシーンです。
連写は使用していないため、一枚ずつシャッターを切っています。
スタートからほど近い地点で撮影していたこともあり、一枚目と二枚目の間にはシャッターを切れませんでした。
JPEG、Lサイズでの撮影でしたが、やはりタイムラグが発生します。
この辺りは、G7Xと同じ感覚です。
次にシャッターが切れたのは、選手の後ろ姿でした(90MB/sのSDXCカード使用)。

その場に留まり、次々と周回してくる選手を撮影します。

PowerShot G9 Xでの撮影

PowerShot G9 Xでの撮影

当初は置きピンにしてタイミングを計ってのシャッターとしていましたが、慣れると合焦から行えるようになりました。
相変わらず連写モードは使用しないため一発勝負になりますが、よく期待に応えてくれていると思います。
極端に距離が変わらないAF動作であれば、十分に俊敏です。

PowerShot G9 Xでの撮影

PowerShot G9 Xでの撮影

PowerShot G9 Xでの撮影

PowerShot G9 Xでの撮影

さらに慣れてきたので、今度は流し撮り的に。
ただし、Pモードでシャッター速度も速いので、それほど流れません。
逆に言えば、歩留まりは上がります。
数十枚撮って、極端なピンボケは2~3枚程でした。
次の機会には色々と設定を弄って撮ってみたいと思わせてくれる潜在能力を備えています。

他、画質面に関してはほぼG7Xと同様と考えてよいと思います。
G7Xに関しては各シーンでの実写例も掲載していますので、そちらをご覧ください。

繰り返しになりますが、このカメラの真骨頂は定評ある1.0型CMOSセンサーの画質を小さく、軽く持ち歩けることにあります。
使い勝手を追求するのであれば、G7XやMark Ⅱ、DSC-RX100シリーズを購入する方がよいかもしれません。
しかし、少なくとも私のサイクリングにとっては、現時点でのベストバランスであることは間違いありませんでした。

肌身離さず持ち歩け、サイクリングに限らず活用シーンが増えてくるであろうG9X。
これからの付き合いが楽しみで仕方ありません。

  

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OLYMPUS 自動開閉式レンズキャップ LC-37C

LC-37C(閉じた状態)

LC-37C(開いた状態)

今回ご紹介するのはカメラではなく、レンズでもなく、レンズキャップです。

しかしこれは、カメラ、レンズの使い勝手を大きく向上させてくれる逸品なのです。
その最大の特徴は、レンズの伸び縮みに連動してキャップ前面のシャッターが開き、閉じること。
逆に言えば、それだけの機能です。

このキャップ、OLYMPUS LC-37Cは、本来OLYMPUS(オリンパス)のレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ専用品です。
このレンズは収納時にコンパクトサイズとなるよう、電源ONで鏡筒部が伸びます(電動)。
その動きに連動して前面のシャッターが開く仕組みとなっています(キャップ背面のレバーが押されているとシャッターが閉まる)。

そして、このキャップは私が使用しているPanasonic LUMIX G VARIO 12-32mm /F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.にも使用できるとの情報を目にしました。
このレンズも可搬性を考慮し、収納時にはコンパクトに、そして撮影時には鏡筒を伸ばして使用します(こちらは手動ですが)。
つまり、同様の仕組みにて前面のシャッターを開閉できる訳です。

しかし、LC-37Cの価格は実勢で3,500円~4,000円程度(2016年9月現在)と安くはなく、便利なのはわかっていても手を出せずにいました。
ところが、ある日私は純正のレンズキャップを落とし、失くしてしまったのです。
買い直しを検討していたところ、これが再浮上してきました。

私にとって、Panasonic LUMIX GM1Sに上記キットレンズをつけた組み合わせは、サイクリングに、日常にと活躍してくれていましたが、そのいずれでも速写性に関しては不満があったことも事実です。

特にサイクリング時には「ジャージポケットから取り出す」「防水用ビニール袋から出す(汗の影響を防ぐため)」「レンズキャップを外す」「レンズ鏡筒を伸ばす(撮影可能状態にする)」「カメラの電源を入れる」と言うアクションが必要となり、被写体に向き合ってから撮影までの作業は煩雑でした。
実際、慌てて純正レンズキャップを落としてしまったのも、サイクリング中の出来事でした。

さて、これらの撮影準備の内「レンズキャップを外す」と言う一点のみがなくなって、果たしてどれだけの効果があるでしょうか?
実際に使ってみると、これが大いにありました。
確かに、手順だけ見るとひとつ削減できたのみです。
ところが、実際にはこの手順の中には「落とさないように外す」「外したレンズキャップを手に持つ」と言う隠れた要素があり、これが精神面含め撮影の障壁にもなっていたのです。

もちろん、このレンズキャップもよい面ばかりではありません。

わずか数mmではありますが、純正レンズキャップをつけた状態よりもレンズ格納時の長さは増します(すぐに慣れましたが)。
さらに、LUMIX G VARIO 12-32mmに装着すると、キャップの突起部が斜めになった状態で止まります(フィルタ溝深さの違いから)
しかしこれは、逆にシャッターがほぼ上下に開く形となるため、結果それほど気になりませんでした。

また、このキャップは構造上レンズフィルターが使用できません。
フィルターを重ね付けすると背面レバーが押されなくなるため、シャッターが閉じないのです(意味をなさない)。
ただし、コンパクトデジカメの代わりと割り切れば、この点に関しては許容できます。

加えて、オリンパスレンズとの広角端画角の違い(換算28mmと24mm)により、広角端で四隅がけられるとの情報もありました。
しかしこの点に関しては、私には通常の周辺光量落ちと判別がつかなかったため、問題ありませんでした。

フィルター使用不可と言う点に関しては、人によっては問題になるでしょうがそれ以外の点に関しては完全にメリットが上回っています。
もちろん、どうしてもフィルターを使いたい場面では、LC-37Cを外せば問題なく使用できます。

これがあれば、コンパクトデジカメ並みのサイズを実現したGM1Sを、まさにコンパクトデジカメ的に使えます。
私にとっては、純正レンズキャップを失くしたことがきっかけとなった購入ですが、上記二つのレンズを利用の方には(価格面さえ納得できれば)是非お勧めしたい品です。

キャップ背面のレバー

  

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FUJIFILM X70(実写編)

サイクリングでの撮影メインに(それだけではないですが)導入したFUJIFILM X70の実写編です。
導入編に関しては、こちらをご覧ください。

さて、なにはともあれ使ってみるとしましょう。
サイクリングでいきなりデビューも厳しいため、まずは日常のシーンで持ち歩きます。
なお、撮影はすべてJPEG、フィルムシミュレーションは初期設定のまま(PROVIA)です。

記念すべきファーストショットはこちら(試し撮りはこの前にしましたが)。
いつもの自宅付近からの富士山です。

FUJIFILM X70にて撮影

この写真は撮って出しJPEG。
リサイズのみで調整は一切していません。
また、カメラ設定もほぼ初期設定のまま。
暗部は潰れているように見えますが、シャドウを持ち上げるとある程度は残っています。
ダイナミックレンジの設定は色々と弄ってみたいところです(この時はDR100固定)。

続いて、出勤時のひとコマ。

FUJIFILM X70にて撮影

こちらもJPEG撮影リサイズのみです。
何気ないシーンですが、中央部をピクセル等倍で切り出してみても(無粋は承知)しっかりと描画しています。

中心部ピクセル等倍

さすがは大型のセンサー(APS-C)とローパスフィルターレスですね。
これなら、トリミング耐性も低くないでしょう。
輪郭部に多少のノイズが乗っているように見えますが、これが立体感に繋がっているのはFUJIFILMの画づくりの特徴です。

さて、こんな被写体ばかりでは何なので、富士市にある岩本山公園に立ち寄ります。
ここでは、ちょうどこの時期(6月上旬)紫陽花の花が咲き揃う頃です。

公園に入るとまず目に飛び込んできたのは紫陽花ではなく何かの(不勉強です)木。
その枝に付く小さな蕾の形が可愛らしく、思わずレンズを向けます。

FUJIFILM X70にて撮影

この被写体にAFで合焦するのは至難の業でしたが、何度目かのトライで成功。
ちなみに、AFはシングルポイントとし、背面モニタのタッチパネルで選択する設定としています。
タッチパネルのタップではAFポイントの選択の他、合焦後シャッターを切るタッチシャッターにも対応しています。

ちなみに、タッチパネルによるAFフレームの選択は便利です。
これはCanon PowerShot G7X(以下G7X)等でも好んで使ってきました。
X70ではその選択が7×7の49エリアとなっており、カバー率が高い上にフレームサイズも数段階に変えることができ、よりピンポイントへのピント合わせが可能となっています。

しかし、AFポイントの並びが微妙で、フレーミングガイドに9分割を選択した際、その交点に合わせることができません(フレームサイズを小さくしてもAFポイント数は変わりません)。
慣れの問題かもしれませんが、この点ではストレスが溜まります。

続いて、紫陽花を撮影します。

FUJIFILM X70にて撮影

この写真は絞り開放(f2.8)です。
薄い雲がかかっている晴れと言ってよいか微妙な天気でしたが、この状況で絞りを開けるとメカニカルシャッターの限界(絞り開放の場合は1/1000秒)はあっさりと超えてしまいます。
カメラの初期設定がメカニカルシャッターのみとなっていたので、露出はオーバーに。
設定をメカニカルシャッター+電子シャッターに切り替え、カメラが選択したシャッター速度は1/2700秒でした(上の写真)。
ちなみに、f8まで絞り込めばメカニカルシャッターは1/4000秒まで切ることができます。

X70のベース感度がISO200である事も、シャッター速度が上がる要因のひとつ(拡張でISO100が選択できますがその場合電子シャッター併用ができないとのこと)。
開放付近での高速シャッター実現が難しいのはレンズシャッターの構造的な問題とは言え、これを踏まえると開放での速度限界はもう少し頑張ってほしかったと感じます。
NDフィルタを使用しない限り(残念ながら内蔵NDフィルタはなし)、晴れの屋外で開放付近を使う際には、ほぼ電子シャッター使用と割り切るしかありません。
それも踏まえての電子シャッター装備なのでしょう。

そして写真をご覧いただければお分かりの通り、焦点距離18.5mm(35mm判換算28mm)、開放F2.8のレンズではとろけるようなボケは期待できません。
そうした写真が欲しければ、同じサイズのセンサーでもより焦点距離が長い、また明るいレンズとの組み合わせが必要になります。
もちろん、被写体との距離などによっても異なりますので一概には言えませんが、このカメラは所謂「飛び道具」ではないと言えるでしょう。

とは言え、シーンによっては充分ボケ味を活かした撮影が可能です。

FUJIFILM X70にて撮影

FUJIFILM X70にて撮影

上の二枚は絞り開放のまま、フォーカスポイントを変えて撮影しています。
紫陽花にピントを合わせた一枚目と、向こうのカップルにピントを合わせた二枚目、明らかに異なる写真としてつくり上げることができます。
タッチパネルによるAFフレーム選択は、こうした画づくりにも力を貸してくれます。

なお、上の二枚を含め以降の写真は、コントラスト等を調整(Adobe Photoshop Elementsにて)してあります。

今度は、絞りによる画の変化を見ていきます。

絞り開放(f2.8)にて撮影

f11まで絞って撮影

三脚を使用していないため厳密にフレーミングが合っていませんが、上の二枚は同じ場所から絞りを変えて撮影したものです。
一枚目が絞り開放(f2.8)での撮影、二枚目はf11まで絞っての撮影です。
X70に登載された点像復元処理は絞り込んだ際の画質低下を防ぐとのことですが、私のレベルではそれを実感することはできていません。

背面モニタのチルト機構はローアングルでの撮影も容易です。
下の写真は、絞り開放にして地面スレスレから撮影したもの。
独特の雰囲気を持つ写真を撮ることができます。

FUJIFILM X70にて撮影

時間もなかったので、早々に岩本山公園を後にします。
公園の梅の木には、取り残された梅の実がいくつか。
この梅の実にAFでフォーカスしようと思ったのですが、ついぞ成功せず(奥に抜けてしまう)。
結局MFを使用することとなりました。

FUJIFILM X70にて撮影

コントラストAFに像面位相差方式を組み合わせたX70のインテリジェントハイブリッドAFはG7X等と比較しても高速ですが、シーンによっては苦手とする被写体もあるようです。
ちなみに、コントラストの低い被写体(霞んだ富士山の稜線や雲の濃淡など)にはAFが利かず、AEロックをした上で他の目標物にてAFをセットするなどしています。
これは、G7Xや以前使ったRICOH GR(以下GR)などと同様で、今のところ像面位相差の恩恵は(こうした意味では)感じ得ていません。

続いては、これもX70の大きな特徴であるデジタルテレコンバーターです。
本来の画角である28mm相当に加え、画像処理により35mm相当、50mm相当の画角に切り替えて撮影することができます。
RICOH GR Ⅱのクロップ機能とは異なり、いずれもフル画素(4896×3264ピクセル)での記録となります。

28mm相当で撮影

35mm相当で撮影

50mm相当で撮影

上の三枚は、一枚目が通常(28mm相当)で撮影したもの、二枚目と三枚目は同じ場所からそれぞれ35mm相当、50mm相当で撮影したものです。
画質の劣化に関しては細かく見ていませんが、少なくとも画面で縮小されたイメージを見た限りでは違和感なく受け入れられます。
この切り替えが、レンズ周辺のコントロールリングで行えるのはとても便利です。

撮影時に背面液晶モニタ上部には、デジタルテレコンバーターの表示(35mm、50mm)表示がされます。
しかし、撮影後パソコン等に画像を取り込むと、それがどの画角で撮影されたのかは情報として保持されていません。
この点に関しては注意が必要でしょう。
また、当然のことですが、50mm相当にしたからと言って50mm F2.8の被写界深度になる訳ではありません。
あくまでもボケは28mm相当であることをご承知置きください。

上手く使えば3本の単焦点レンズを持ち歩いている感覚での撮影が可能なこの機能。
X70の使い勝手を大きく向上させていると言っても過言ではありませんね。

そして、日曜日にいよいよ主目的であるサイクリングに持ち出しました。
汗を防ぐためのビニール袋にくるみ、サイクルジャージの背中ポケットへ。
横幅は私のポケットでほぼ一杯、重さはPowerShot G7X同様、少々ずっしりと感じます。

レンズ部の突出(アダプターリング、フィルタ、キャップにて15mm程長くなっている)は、Panasonic LUMIX DMC-GM1S(以下GM1S)にキットレンズを装着した時と比べ気になりません。
きっと、本体重量が重いので、重心が背中側にあるためでしょう。
これにはちょっと安心しました。

最初は重く感じたX70ですが、走り出してしまうとあまり気になりません。
少なくとも、シッティングでクランクを回している内は、その存在を強く意識することなく走れました。
路面が荒れてバウンドするような場面では、その重量ゆえにポケットが大きく上下に揺れます。
しかし、ダンシングも含め、ポケットから飛び出してしまうような不安感は皆無でした。

サイクリング途中で、ポケットから取り出し何度か撮影します。

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

今回のサイクリングはあえて撮影メインではなく、走りメイン。
そのため、絞り優先ではなく、絞りもオートとして撮影しました。
キャップを外すと言うひと手間が加わるため、速写性はG7Xより劣ることは事実です。
しかし、レンズの繰り出しが必要なGM1Sよりはスピーディーで、起動の高速さもストレス軽減に寄与しています。

上の写真一枚目では、朝の太陽をもろに画角内に入れていますが、フレアやゴーストの出方は自然で好感が持てます。
少々の逆光ではコントラスト低下もなく、頼りになるレンズと言えるでしょう。
G7X、GR、GM1Sと同様にデジタル水準器を備えているため、水平出しは容易です。

まだ100km程度の走行ですが、サイクリングカメラとしての性能も充分に有していると判断しました。
ただし、重量、大きさに関しては他を上回るので、走り優先のサイクリングでは他を選択する可能性も多いにあります。

あくまでもサイクリングカメラとして見た場合の特徴(メリット)は、それぞれ下記のようになります。

【Canon PowerShot G7X】
 ・レンズが繰り出し式で小型
 ・レンズバリアを備え、電源ONのみで撮影可能
 ・換算24mm-100mmの4倍ズーム(デジタルズームも有)
 ・開放F1.8-F2.8の明るいレンズ
 ・定評あるセンサーと画質

【RICOH GR】
 ・APS-Cセンサー
 ・横幅はあるものの、軽量
 ・レンズバリアを備え、電源ONのみで撮影可能
 ・換算28mmに加え、35mm、47mm相当で撮影可(クロップ)
 ・速写性に優れ、洗練された操作系

【Panasonic LUMIX DMC-GM1S】
 ・レンズ交換式でありながら小型・軽量
 ・4/3型センサー
 ・換算24mm-64mmの手動ズーム(キットレンズ)
 ・軽快なレスポンス

【FUJIFILM X70】
 ・APS-Cセンサー
 ・定評あるJPEG画質(発色)とホワイトバランス
 ・撮る楽しみを感じられる操作系
 ・換算28mmに加え、35mm、50mm相当で撮影可(デジタルテレコン)
 ・軽快なレスポンス
 ・上下チルト式背面モニタ

実は、ロードレーサーによるサイクリングと撮影のバランスを考えた場合、私にとってのベストバイはこの中になく、Canon PowerShot G9 Xだと思っています。
散々記事を書いてきて何だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、1.0型センサーとDIGIC 6を搭載し、小型軽量(209g)でズームレンズ(換算28mm-84mm)を備えたこのカメラは高速ツーリングにピッタリ。
レンズの開放F値はF2.0-F4.9とG7Xと比較して明るくなく、広角端も28mmからとなりますが、その分無理をしていないため写りにも期待できます。
実際、使っている方の評価も高く、G7Xで画質面に関してもよく理解しているため、いつか手に入れることになると思います。

では、X70の立ち位置はどこにあるのかと問われると、使い込んでみないとわからないと言うのが本音です(無責任)。
大きさ、重ささえ許容できれば、サイクリングカメラとして写りには大いに期待できます。
独特の操作系には好みがあるでしょうが、私は嫌いではありません。
そして、サイクリングに特化せず、日常持ち歩くカメラと考えた時、その魅力はさらに広がっていくでしょう。

何度か書いていますが、このカメラは決して「飛び道具」ではありません。
ローパスレスAPS-Cセンサーに単焦点レンズと言う組み合わせから飛び抜けたものを期待するかもしれませんが、APS-Cセンサに換算28mm開放F2.8のレンズと言う組み合わせにはとろけるようなボケも紙のように薄い被写界深度もありません。
しかし、目立った周辺光量落ちや周辺の歪曲もなく、極めて素直な描写をしてくれる安心感、それがそこにあります。

実際、飲食店で料理の撮影などして見ると、これが実に旨そうに撮れるのです。

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

GRもそうなのですが、X70も決して肩肘を張って使うカメラではありません。
むしろ、肩の力を抜いて、日常に潜む光景の撮影を楽しむカメラなのでしょう。

サッと取り出し、パッと撮る速写性に関しては、GRの方が上だと感じます。
目にした光景を素早く切り取るならGR、X70はじっくりと被写体に向き合う気持ちを大切にするカメラだとも感じました。
これは決してX70の速写性を否定するわけではなく、設定を煮詰めて撮る楽しみも得られるカメラだと言う意味です。

正直、サイクリングカメラとしては当初期待した程のインパクトを感じ得ていないのが現状です。
しかし、あらゆるものにレンズを向けたくなる撮影への(穏やかな)意欲は感じさせてくれるカメラです。

今後、さらに使っていくにつれ、そんな意欲が写真に現れてくれることを期待しています。

  

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FUJIFILM X70(導入編)

「サイクリングにどんなカメラを持っていくのか」これは永遠とも思えるテーマです。

これまで、はじめて持ち出したPENTAX Optio S4を皮切りに、Canon IXY DIGITAL50、RICOHGR DIGITAL Ⅱ、FUJIFILM FinePix F200EXR等々、様々なデジタルカメラを使ってきました。

私のようにロードレーサーでのサイクリングを楽しむ場合、荷物はできるだけコンパクトにしたいもの。
ウエストポーチやリュックを用いるのでなければ、原則サイクルジャージの背中ポケットに入ると言うのが絶対条件となります。

一方で、サイクリング中は絶好の撮影機会であることも事実。
自動車より速度域が低い上に、どこでも停車できるのは自転車ならではの魅力です。
実際、私のサイクリングにおける行動範囲では、思わずシャッターを切りたくなる光景に多々出会います。
そして、そんなサイクリング中の写真が仕事に役立つ(パンフレットやWEB等)こともこれまた多く、写りにも妥協はしたくありません。

そんな大義名分に生来の物欲も加わり、サイクリングカメラ選びは終わりなき旅となっているのです。

ここ一年ほど、そんなサイクリングカメラのメインはCanon PowerShot G7X(以下G7X)が担ってきました。
1.0型とコンパクト機では比較的大きなセンサーを採用し、換算24mm-100mmの4倍ズームレンズも装備。
そして以前のPowerShot S120譲りの操作体系への慣れもあり、非常に使い勝手のよいカメラです。
ネックはサイズの割に重い(約304g)ことと、広角端絞り開放付近での画質(周囲の流れが大きい)ことくらいでしょうか。
これを補うカメラとして一時期RICOH GR(中古で購入、以下GR)も使用しましたが、画質や使い勝手等総合的に判断して手離してしまいました。

にもかかわらず今回単焦点のFUJIFILM X70(以下X70)を選択したのには、いくつかの理由があります。
最も大きな理由は、サイクリング、写真双方の友でもあるSさんの影響。
同じくG7Xに加えFUJIFILM X-T10を使用するSさんのブログを拝見し、その写りに感嘆したことが直接のきっかけとなります。

単焦点レンズを中心に揃えているとは言え、明らかにコンパクトデジカメとは異なる写真の数々。
それらを見るにつけ、同様のセンサーに単焦点レンズ(開放F2.8のパンケーキレンズではありますが)を備えたX70ならとの期待が膨らんでいきました。

もちろんそれだけではなく、私自身これまで使ったFUJIFILM製カメラの画質や性能に魅力を感じていたことも事実です。
特に、JPEG撮影での画質、フィルムシミュレーション、スーパーiフラッシュ(これは他の追随を許さない)、オートホワイトバランスの優秀さには好印象を持っており、これらへの期待も大いにあります。

大きさ、重さ(約340g)に不安はあったものの、過去に持って走ったことのあるSONY DSC-RX1(約482g)やCanon PowerShot G1X Mark Ⅱ(約553g)に比べればまだ軽いと自分を納得させます。

そんな訳で入手したX70。
パッケージは昨今の流れ通りシンプルですが、内箱には“X”の切れ込みがあるなど、こだわりも見せています。

FUJIFILM X70パッケージ

FUJIFILM X70パッケージ

箱から本体をそっと取り出します。
スペック上の横幅はGRの方が大きい(約4.5mm)のですが、そうは感じられないサイズ感。
手に取った瞬間の重さとあわせ、思ったより大きく感じました。
沈胴式でないレンズ及びチルト式背面モニタにより厚みが1cm近く厚いことも要因でしょう。

FUJIFILM X70本体

FUJIFILM X70本体

正直、直感的には「失敗したか!?」と思ったことも事実。
しかし、重さはG7Xと比較して約36gの増(G7X Mark Ⅱと比較すると21gの増)に留まります。
実際にポケットに入れて走るまでは、予断を入れないように心がけました。

このカメラをPowerShot G7Xと比較した場合の相違点は、大きさ、重さ以外に主に下記のようになります。

・APS-Cセンサー
・単焦点レンズ(換算28mm、開放F2.8)
・下向きにもチルトする背面モニタ
・独立したシャッターダイヤル、絞りリング等の操作系
・アクセサリシュー
・1/4000秒メカシャッター(開放では1/1000秒まで)
・レンズバリアの有無

写りに関しては上の二点が重要です。
センサーはより大型かつローパスフィルターレスで、より高い解像感が期待されます。
レンズの開放F値はG7Xに軍配が上がりますが、センサーサイズも考慮しボケ味がどう出るのか興味あるところです。

使い勝手に関しては三点目、四点目でしょうが、G7XもMark Ⅱになって下向きチルトにも対応しています。

五点目のシャッター速度に関しては、メカシャッターの上限1/4000秒が使用できるのはf8より絞った時となります。
これはレンズシャッターの構造的な問題ですが、より高速シャッターが必要となる開放付近で1/1000秒が限界となるのはいささか残念です。
しかし、電子シャッター(1/32000秒まで)が備えられているので、被写体によってはこれでカバーできるでしょう。

最後六点目は、実は使い勝手に最も大きく関与する部分かもしれません。
同様にAPS-Cセンサーを搭載するコンパクトデジカメRICOH GR Ⅱともよく比較される部分ですが、X70にはスイッチのON/OFFに連動するレンズバリアが備えられていません。
このため、レンズキャップを使用することとなりますが、この点に関しては後述します。

さて、まずは操作系に着目しながら本体を見ていきます。

シャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤル

絞りリングとコントロールリング

上にも書いた通り、撮影に当たっての操作系がこのカメラの特徴的な部分です。
あえてフィルムカメラ時代の操作感を残し、デジタルに最適化していない操作系をどう感じるのか、好みが分かれる点でしょう。

私は、これはこれでありだと思います。
双方に一長一短がありますが、デジタル一眼レフ機ではほぼすべて絞り優先モード(Av)を使用する私にとって、この操作感は悪くありません。
シャッタースピードダイヤルは“A”に固定したまま、左手で絞りリングを操作すれば、自然と絞り優先モードでの撮影が可能です。
片手での操作は難しくなりますが、手ブレを防ぐためにも左手でレンズ周辺をホールドすることは有効です。
ちなみに、サイクリング時スピーディーに撮影する場合、絞りも“A”に設定し、事実上のプログラムオート(P)モードで撮影しています。

シャッタースピードダイヤル横にある“AUTO”切り替えレバーは、手前に引けばワンアクションでアドバンストSRオートに切り替えることができます。
他人にシャッターを切ってもらう場合などにも有効かもしれません。

絞りリングとともにレンズ外周部にあるコントロールリングは、MF時のピント合わせに使用します。
物理的なピントリングと異なりストロークも大きく使いやすいとは言えませんが、少なくとも他のダイヤルやボタンで操作するよりはよほど直感的でしょう。
むしろ、MF時以外にこのリングでデジタルテレコンバーター(35mm相当、50mm相当)切り替えができるのは便利です。

X70のデジタルテレコンバーターはもちろん背面モニタ連動ですが、単なるクロップではなくデジタル処理で画素を補完する仕様(フル画素での撮影)となっており、この点はRICOH GR Ⅱと異なります。
画質に満足できれば、28mm、35mm、50mmの単焦点3本を使い分けているに等しく、さらにトリミング耐性も高まることとなります。

コネクタポート

X70にはバッテリーの充電器が付属せず、付属の専用ケーブルにより本体内充電する仕様です。
USBからの充電が可能なのは出先などでも便利ですが、予備バッテリーを購入した場合には別売の充電器も揃えた方がよいかもしれません。
充電等のコネクタ類は本体側面の扉を開くと備えられています。

バッテリーと充電ケーブル

さて、サイクリングに持ち出すにあたっては、レンズバリアがないことがネックとなります。
付属のレンズキャップは質感もよく、はまりもソフトで通常使用に問題はありません(むしろ喜びに繋がるかも)。
しかし、慌てて付け外しをすると落としたりなくしたりしてしまう懸念もあります。
また、キャップを取り外したレンズは無防備で、汗だくのサイクリングでは不安も感じます。

そこで、せめてもとレンズに保護フィルタを装着しようと考えます。
が、X70のレンズ周辺にはフィルタ装着用の溝がありません。
色々調べた結果、下記の構成に落ち着きました。

レンズフィルタ装着用一式

写真中央にあるのが、フィルタ装着用のアダプターリングです。
本来同社デジタルカメラX100シリーズ用のものですが、レンズ外周部の径が同じため流用できます。
X70専用品もリリースされているのですが、そちらはフードも含めた製品で高価なため、リングのみ必要な私はこちらを選択しました。
社外製と言う選択肢もありますが、質感を踏まえ今回は純正品とします。

そして、フィルタは定番のPRO1Dをチョイス、径は49mmです。
さらにキャップはフィルタに合わせ、エツミ製49mmのものを選択します。

これらをセットしたイメージは、下のようになります。

レンズフィルタ装着

キャップも装着

写真下方に写っているのは、アダプターリング取り付け時に外したレンズ先端部リングです。
アダプターリング、フィルタの装着により、レンズ部の全長は15mm程長くなってしまいます。
しかし、もとより厚さはあるカメラなので、ここは致し方ないと割り切ることにしました。

なんにせよ、これでサイクリング時(それだけはないですが)の取り扱いにやや安心感が生まれます。
もっとも、一番心配なのはカメラを落とすことや自転車での転倒なのですが。

液晶保護フィルムもエツミ製の専用品を購入し、貼り付けます。
以上で持ち歩くための準備は完了。
続いては、いよいよ実写編へと移っていきたいと思います。

実写編に続く

  

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桜の終わりに

4月10日の日曜日、サイクリングから戻った後、子供たちと富士西公園へと出向きました。
桜の花の下でピクニックをしながら遊ぼうと思ってのことです。
広い公園内ですが、既に自由に遊べる程度には大きくなった我が子。
そこで私は、満開の桜の花を撮ろうとカメラを持ち出します。

今回持ち込んだのはCanon EOS 5D MarkⅢEF85mm F1.2L Ⅱ USMを組み合わせたもの。
最短撮影距離が長く前回の広見公園の時のように近接撮影はできないレンズですが、終わりが近づいている花をどう撮れるのか、試してみました。

このレンズの持ち味はなんと言っても絞り開放での芯がありながらも柔らかい描写ですが、風に揺れる枝を相手にいきなり開放は厳しいので、f1.8から。

f1.8での撮影

f1.8での撮影

続いて、f1.6で三枚。

f1.6での撮影

f1.6での撮影

f1.6での撮影

当たり前の話ですが、同じ絞り値でも撮影距離によってかなり雰囲気は異なります。
下の写真は被写体とバックの距離が開いていたので、f2.0での撮影です。

f2.0での撮影

再びf1.6に設定。
どうやら、このシチュエーションだと、f1.6~f2.0位が最も使いやすいようです。

f1.6での撮影

しかし、せっかくこのレンズを持ち込んでいるのです。
やはり開放での撮影をと思いチャレンジします。
しかし、屋外手持ち撮影で、しかも風が吹いています。
決して速いとは言えないAF、しかも被写体に近付くと迷います。
AFとMFを駆使しながら数枚は見られる写真が撮れました。

f1.2での撮影中、最も気に入ったのが下の写真。
風に散る花弁にもピントが合いました(完全に偶然ですが)。
なお、トリミングをしています。

開放f1.2での撮影

さすがにこの組み合わせだと歩留まりは悪くなります。
しかし、撮影をしていて非常に楽しいことも事実。
時を忘れそうになります。

子供たちの相手をあまりすっぽかすわけにも行かず、この日の撮影はここで打ち止めとなりました。

  

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Panasonic LUMIX DMC-GM1S

今回ご紹介するのは、ミラーレスデジタルカメラ、Panasonic(パナソニック)のLUMIX DMC-GM1Sです。

このカメラの特徴は、なんと言っても「小さい」こと。
マイクロフォーサーズマウントはもともとカメラやレンズを小型化しやすい規格ですが、その中でも抜群に小さいのがこのカメラです。
まるでコンパクトカメラのような見た目(キットレンズを装着した場合)で、レンズ交換式カメラとは知らなければ気付かない程です。

なぜこのカメラを手に入れたかと言えば、その小ささ、軽さと写りとのバランスに期待をしたからです。
2016年に入り手持ちのカメラを整理したため、この直前手元にあるカメラはデジタル一眼レフ2台(EOS 5D Mark ⅢEOS 7D Mark Ⅱ)とコンパクトデジカメ(PowerShot G7XSTYLUS TG-2 Tough)に集約されていました。
画質や使い勝手にもある程度こだわりながら、可搬性を高めたい。
そんな目的でこれらの間をつなぐのが、コンパクトなミラーレスカメラとなるわけです。

マイクロフォーサーズのセンサー面積はその名の通り4/3型で、1インチのPowerShot G7XとAPS-CのEOS 7D Mark Ⅱとの間。
1.5型のPowerShot G1X Mark Ⅱよりやや狭い程度で、決して大型とは言えません。
しかし、(デジタルとしては)長い歴史もあり、技術的にもこなれています。
暗部ノイズなどはある程度覚悟し、さらに(明るいF値のレンズでなければ)ボケも控え目であることは承知の上で購入しました。

今回購入したのはカメラのキタムラオリジナルのセット。
通常の標準ズームレンズキットであるDMC-GM1SKに、電動ズーム機構を備えた望遠ズームレンズLUMIX G X VARIO PZ 45-175mm / F4.0-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.を組み合わせたセットです。

LUMIX DMC-GM1S

このセットは既に販売がほぼ終了しており、現在(2016年3月下旬時点)は店頭在庫(展示処分品)が残るのみとなっています。
それだけにお値ごろ感も極まっており、コンパクトデジカメ同様の使い方ができるレンズ交換式デジカメとしての価値はより高まっています。

カラーはブラウンを選択(と言うよりこれしかなかった)。
早速取り出してみます。

LUMIX DMC-GM1S

LUMIX DMC-GM1S

上二枚目の写真は、撮影可能な状態までレンズを繰り出したもの(キャップはしたままですが)。
キットに付属するレンズLUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.は格納式のため、撮影終了後はさらにコンパクトになります。

その大きさを、愛用のCanon PowerShot G7Xと比較してみました。

大きさを比較

大きさを比較

いかがでしょう。
レンズが格納状態でも、さすがにレンズの出っ張りはGM1Sの方が大きくなります。
それでも、本体サイズ自体はGM1Sの方が小さく、そのコンパクトさが際立ちます。

さらに、重さを比較しても、G7Xの約304g(バッテリー、メモリカード含む)に対しGM1Sが約274g(同)となり、レンズ込みで約30gもGM1Sが軽いことになります。
だからと言ってチープなつくりかと言うと決してそんなことはなく、むしろ高級感もあります。

ただし、35mm判換算でのズーム範囲はG7Xの24-100mm相当に対しGM1Sは24-64mm相当と望遠側が弱く、さらに開放F値もF1.8-2.8のG7Xに対しGM1SはF3.5-5.6と暗くなっています。
比較する際には、これらも考慮に入れる必要があります。

早速、撮影をしてみました。
まずは、PowerShot G7Xとの比較をしてみます。

GM1Sにて撮影

G7Xにて撮影

上の二枚の写真は、一枚目がGM1S、二枚目がG7Xで撮影したものです。
三脚を使用していないので厳密に構図が合っていませんが、雰囲気は感じていただけるでしょうか。
どちらもJPEG最高画質で、Pモードでの撮影となっています。

等倍切り出しでも比較してみましたが、屋外手持ちと言うことで厳密な比較にはならないため差し控えさせていただきます。
私の印象では、この両者は画づくりの方向性は違うものの、甲乙つけがたい写りです。
センサーサイズに差があることを考慮すると、G7Xの優秀さを再実感しました。
もちろん、GM1Sに関してはレンズ次第で写りが変わることは承知しておく必要があります。

続けて、梅から桜へと移り変わる岩本山公園内で撮影をします。

DMC-GM1Sにて撮影

DMC-GM1Sにて撮影

DMC-GM1Sにて撮影

DMC-GM1Sにて撮影

DMC-GM1Sにて撮影

標準ズームレンズは2.67倍と、この手のキットレンズにしても控え目なズーム比率です。
しかし、広角側が24mm相当からのスタートと広いので、広大な風景や室内での集合写真などを撮影する際には便利に使用できます。
逆光にもかなり強く、フレアやゴーストも素直な出方で画づくりに使えると感じました。

DMC-GM1Sにて撮影

DMC-GM1Sにて撮影

反面、やはり望遠端に関しては不足すると感じる場面もあり、万能ではありません。
そうした意味でも、望遠ズームレンズを一緒に持ち歩いた方が、撮影の可能性は広がります。

そんな望遠ズームレンズ、LUMIX G X VARIO PZ 45-175mmを装着して撮影してみます。

LUMIX G X VARIO PZ 45-175mmを装着

LUMIX G X VARIO PZ 45-175mmを装着

上の写真は同じ場所から撮影。
一枚目が広角端90mm相当での撮影、二枚目が望遠端に近い314mm相当で撮影したものです(望遠端は350mm相当)。
縮小しているのでわかりにくいですが、正直デジタル一眼レフ+高性能ズームレンズの画と比較すれば、その甘さがわかるレベルです。
しかし、350mmまでの望遠レンズがこのサイズ、この軽さ(わずか210g)で収まると言うのは驚異的で、これはマイクロフォーサーズならではのことです。
しかも、パワーズームで滑らかに動き、手ブレ補正も内蔵しているのです。

このレンズもそこそこ逆光に強く、安心できます。
下の写真は、雲間から覗く朝日を撮影したものです。

LUMIX G X VARIO PZ 45-175mmを装着

レンズを標準キットレンズに戻し、飲食店での撮影をします。
正直、マイクロフォーサーズは暗さに強くない(暗部ノイズが出やすい)と思っていたのですが、その画質進化には驚きました(以前使用したE-PM2と比較して)。
下の料理の写真はISO3200ですが、気軽に撮るには全く問題ありません(カラーバランスは若干調整)。

DMC-GM1Sにて撮影

DMC-GM1Sにて撮影

DMC-GM1Sにて撮影

DMC-GM1Sにて撮影

前述の通り、センサーサイズとレンズの開放F値の関係で、さすがにボケは控え目です。
しかし、料理を撮る際にあまり被写界深度が浅いと、それはそれで気軽に撮れないことも事実。
画づくりを過度に追求しないのであればこれで充分、かえって安心できるかとも思えます。

さて、実は私がこのカメラにこだわったのは、サイクリングの際に使用できないかと思ったからです。

数々のカメラをサイクルジャージの背中ポケットに入れて走りましたが、どれも一長一短がありました。
今はPowerShot G7Xが自分の中ではベストなのですが、サイズの割に重いのと、広角での近接撮影画質に不満が残っていました。
これまではミラーレスカメラを背中ポケットに入れると言う発想が生まれませんでしたが、GM1Sを見た際に「これなら」と思えたことも事実です。

そんな訳で、サイクリングに持ち出してみました。
ストラップと環を外し、標準レンズを装着した状態で背中ポケットに。
意外にも(いや想定通りか)すんなり入りました。

さすがにレンズの出っ張りは大きくポケットは膨らみますが、重量感はG7Xよりありません。
重量バランスもよく、走っていてのストレスはほとんどありませんでした。
これは嬉しい想定外です。

もうひとつの想定外は、AFの速さ、正確さ。
これに関しては、明らかにG7Xを凌駕しており、レリーズのレスポンスも含め撮影時の快適性は数段上です(ただしシャッターボタンのストロークは深め)。

しかし、G7Xと比較した時の画質差に関しては、期待したほど大きくない(ほぼ同等?)と感じたことも事実です。
もちろん、単焦点や明るいズームレンズを使えば画質も向上し、撮影の幅も広がるでしょう。
が、それではサイクルジャージのポケットに入りにくくなり、本末転倒です。

また、撮影開始までのアクションに関しても、G7Xの方が良好です。
取り出して電源ボタンのワンアクションで撮影可能となるG7Xに比べ、GM1Sではレンズキャップを外し、レンズを繰り出し、電源を入れると言うスリーアクションが必要になります。

以上、サイクリングカメラとしては優れている点、今ひとつな点もあります。
それでもこの画質でこのサイズ、軽さと言うのは充分魅力的です。
撮影のポイントで立ち止まり、じっくり撮影をするにはGM1Sの方が適しているでしょう。
反面、バイクに跨ったまま取り出しサッと撮る場合には、G7Xの方が適しています。
こうなると、G7Xより小さく軽いPowerShot G9Xが気になるのが困ります(広角端は28mm相当からですが)。

だからと言って、GM1Sの魅力が薄れる訳ではありません。
常に傍らに置いておくカメラとして、またレンズ交換により望遠ズーム等をあわせ活用できるカメラとして、気軽な撮影から、こだわった使い方までの「幅」は明らかにコンパクトデジカメより広くなります。

モデル末期の今、コストパフォーマンスに優れたこのカメラ、もし在庫を見つけられれば魅力的な選択肢となりますね。

  

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Canon EOS 7D Mark Ⅱ

今年の1月に機材整理をし、Canon(キヤノン)のデジタル一眼レフカメラEOS 7D Mark Ⅱ(以下7D2)を入手しました。

キヤノンEFマウントを基本としてレンズを揃えている私。
近年、広角~標準域は単焦点レンズを利用し、24mm、35mm、50mm、85mm、100mm(マクロ)の5本があります。
そして、望遠域は70-200mmのズームレンズでカバーしています。

以前使用していたEOS 7D(以下7D)を手離してから、メインのEOS 5D Mark Ⅲ以外はミラーレスのEOS Mシリーズを活用してきました。
しかし、やはり撮影のレスポンスに難があり、特に室内で子供を撮影する際など、フラストレーションがたまることも事実。
デジタル一眼レフに回帰しようと、再度機材を整理して7D2を購入したのでした。

以前使用していた際に持ち出す頻度が高かった7D。
特に高速連写が必要な被写体を狙うわけではありませんが、そのレスポンスのよさはよくわかっています。
撮影は、とにかく気持ちよく、テンポよく撮りたいことも事実なのです。

と、言うわけで、カメラ店から持ち帰ります。
箱は、白基調からシルバーへと変わっています。

Canon EOS 7D Mark Ⅱパッケージ

本体を取り出してみると、驚くほど新鮮味はありません。
散々慣れ親しんだ7Dとの違いは、前から見る限りMark Ⅱのバッヂとペンタ部の盛り上がり(GPS)程度しか感じられません。

Canon EOS 7D Mark Ⅱ

背面まで目を移すと、マルチコントローラーの周囲に測距エリア選択レバーが新設されています。
既に7Dを手離してしまっているため明確な比較はできませんが、それ以外に変化はないように見えます。

Canon EOS 7D Mark Ⅱ

しかし、これはこれでよいのです。
もともと、7Dの操作性に関しては何の不満もなく、むしろある種の完成形だと思っていたので歓迎です。

早速手持ちのレンズ、EF35mm F2 IS USMをセットしてみます。
単焦点レンズとのバランスも悪くありません。

自分好みにセッティングするため、メニューをあれこれ弄りながら撮った最初の一枚がこちら。
特になんということない光景ですが、何故か新鮮に感じるのは自分だけでしょう。

ファーストショット

この35mmレンズをつけて、食事に出かけました。
静音撮影モードが備えられているため、シャッター音は静かで、少なくともこの場面では全く気になりません。
ミラーアップの必要もないので、5D3同様重宝する機能です。

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF35mm F2 IS USMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF35mm F2 IS USMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF35mm F2 IS USMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF35mm F2 IS USMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF35mm F2 IS USMにて撮影

キヤノンのAPS-Cセンサカメラは焦点距離画角が35mm判の1.6倍となるため、これは56mm相当になります。
隣の子を写したり、料理を写すには最適な焦点距離でしょう。
特に連写を使用せずとも、AFの速さやシャッタータイムラグの短さなど、レスポンスのよさは体感できます。
やはり、良いカメラです。

次に、これも2016年に入って入手したEF50mm F1.8 STMをつけて旅行に出ます。
同様に焦点距離は1.6倍換算となるので、80mm相当です。

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF50mm F1.8 STMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF50mm F1.8 STMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF50mm F1.8 STMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF50mm F1.8 STMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF50mm F1.8 STMにて撮影

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF50mm F1.8 STMにて撮影

軽量で安価なこのレンズと組み合わせても、やはり軽快な撮影に変わりはありません。
80mm相当と言う画角をどう捉えるかは人それぞれですが、私は好みです。

以前の7Dで不満だったのが、高感度画質。
ISO800程度から既にノイズが目立つ印象でした。

正直、7D2でもそれは期待したほどには改善されていません。
フルサイズの5D3やEOS 6Dのような期待を持つと、がっかりするかもしれません。
それでも、だいぶ改善されていることは事実です。

上の写真の内、二枚目はISO2500、三枚目はISO3200です。
そして、最後の写真もISO2500となっています。
この画質をどう見るか(縮小しているのであまり参考になりませんが)も人それぞれでしょうが、私にとっては許容範囲です。

EF85mm F1.2L Ⅱ USMをセットして撮った写真に関しては、別エントリで以前にUPしています。
こちらをご覧ください。

本来であれば、望遠ズームのEF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMを装着して連写撮影(AF追従)をテストすべきなのですが、私はめったにそのような撮影はしません。
一応そのレンズを装着して撮りましたが、今のところ富士山と菜の花を撮っただけです。

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMにて撮影

ならばなぜ7D2を買ったのかと疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、いざという時に連写ができることは心強い上、EOS 70Dや80Dとそれほど価格も変わらない7D2はとてもお買い得なモデルとも言えます。
バッファの大きさは、子供の運動会撮影などの際にも威力を発揮します。

最後に、家族で遊園地に行った際に撮った連写写真を掲載します。
使用したレンズはEF35mm F2 IS USMで、AFはあえてワンショットAFを使用(ワンショット目で固定)しています。
さすがの秒間10コマ連写。
軽快な音とともに、驚くほどの枚数が記録されていました。

秒間10コマ連写

繰り返しになりますが、APS-CセンサのEOSを検討する際、現時点(2016年3月現在)ではEOS 7D Mark Ⅱは非常に魅力的な機種です。
もちろん、大きさや重さがありますので、より軽量なものを選ぶなら選択肢は他にあります。
しかし、プロユースにも耐えうる性能、耐久性を考えると、ある意味「お買い得」と考えてしまう機種であることは確かです。

  

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