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SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary(導入編)

今回ご紹介するのは、デジタル一眼レフカメラ用超望遠ズームレンズです。
SIGMA(シグマ)社のこのレンズは、35mm判フルサイズ対応で手軽に超望遠域を楽しめるとあって人気のレンズ。
開放F値こそ明るくはないものの、このレンズでなければ味わえない領域(価格面含め)があることも事実です。

私はかつて同社のSIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM(以下50-500mm)を愛用していました。
このレンズは10倍ズームの利便性(大きく重いですが)を持ちながら画質もほどよく、気軽に超望遠域を楽しめる点では当時唯一無二のものでした(同社の150-500mmもありましたが)。

しかし、その後TAMRONからさらに望遠端を伸ばした150-600mmの超望遠ズームレンズが発売され、さらにSIGMAも同焦点域のズームレンズを二機種発売するなど、この種のレンズも活況を呈してきました。
何しろフルサイズ対応で500mm、600mmといった焦点域のレンズをCanon(キヤノン)純正で手に入れようとすれば、単焦点で80万円以上ととても手の出る価格ではありません(少なくとも私には)。
ちなみに、Nikon(ニコン)には、フルサイズ対応超望遠ズームレンズ、AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRがありますが、これはTAMRONのOEMではないかと推察されています(真偽は不明)。

そんな中、使用頻度や費用捻出の面から一旦は50-500mmを手放した私ですが、富士山に絡めた月や太陽の写真を撮る際にはやはりこの手のレンズが必要と感じ、主にCanon EOS 7D Mark Ⅱ(以下7D2)と組み合わせて使用すべく再度入手することにしたのです。

入手にあたっての候補は三つ。
SIGMAの150-600mmがSportsContemporaryの二機種、それに加えTAMRONの150-600mm(Model A022)です(2016年10月現在)。

TAMRON Model A022は同年9月に発売されたばかりの改良型。
それまでのモデルよりAF速度や描画が改善されたとの評判でした。
しかし、発売後間もないため価格が高かったこと、またズームリングの回転方向がキヤノン純正レンズと逆(ニコンと同じ)であること等から、今回はSIGMAの二機種から選ぶことにしました。

SIGMAのレンズ二機種の焦点距離、開放F値はどちらも同じ。
Sportsは主に金属製の鏡筒で、フードも含めがっちりした造り。
レンズ前面近くに大きなFLDガラス二枚を使用し、描画にも定評があります。

これに対しContemporaryはエンジニアリングプラスチックを多用したボディで(比較的)軽量。
FLDガラスはマウント近くに一枚ですが、前面にSLDガラスを使用し、描画に関してはSportsに引けを取らないとの評判です。

双方の重さはSportsが2.86kgに対しContemporaryが1.93kg。
そして、実勢価格には7~8万円程の開きがありました(2016年10月現在)。

ずぼら手持ち撮影がほとんどの私は、価格面も含め迷いは少なく、SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary(以下150-600mm)を選択しました。

相変わらずどっしりとした箱を開けます。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryパッケージ

取り出したレンズはやはり重量級で巨大ですが、50-500mmで慣れていたせいもあり、違和感はありません。
50-500mmが重量1.97kgでしたから、ほぼ同じと考えてよい重さです。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

見た目の印象は、少々ツルンとした感じ。
50-500mmのメカメカしさとはよくも悪しくも異なります。
おそらく、フォーカスリングが細く、控えめなデザインになっていることも大きいでしょう。

大きさを比較するため、Canon純正のEF-70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM(以下70-200mm)と並べて見ます。

EF-70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMと比較

こうして見ると、サイズ感にそれほど差はありません。
もちろん、150-600mmの方が長いですし、重量も440g程大きくなります。
それでも、これなら何とか手持ちで振り回して使えると(少なくともこの時点では)思いました。

側面にあるスイッチ類を見てみます。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

フォーカスリミッターは被写体との距離10mを境に切り替えることができます。
最短撮影距離が2.8mであることを考えると、この距離はやや微妙です。
明確に遠景を撮ると決まっているとき以外はFULLで使用することになります。

OS(手ぶれ補正)モードは1(通常)、2(流し撮り用)とOFFが選択でき、これは50-500mmと同様です。
流し撮り時のアルゴリズムは新しくなっているとのことですが、私はこのレンズで流し撮りをしない(少なくとも現時点では)ためよくわかりません。

フォーカスモードはAFとMF以外に、MOが追加されています。
モードをAFにセットしておいても、ピントリング操作で即座にマニュアルフォーカスできる(フルタイムマニュアルフォーカス)ことに変わりはありませんが、コンティニアスAFの最中でもそれが可能になるのがMOモードです。
モータースポーツや動物等を撮る際には上記流し撮り用OSモードとともに役立つのでしょうが、風景メインの私には使う機会がなさそうです。

ズームリングすぐ後ろにあるズームロックスイッチは、ズームリングに刻印された焦点距離ごとにロックすることが可能になりました。
50-500mmは広角端のみでのロックだったので、この点は一歩前進です。
任意の位置でロックできればなおよかったのですが、そこは今後に期待でしょう。

おっちょこちょいで臆病な私は、レンズ前面に保護フィルターを装着します。
このレンズのフィルターサイズは95mm。
さすがにこの大きさになるとフィルターも高価ですが、価格とのバランスを考え、Kenko MC プロテクター NEO 95mmを購入しました。

Kenko MC プロテクター NEO 95mm

フィルター、フードを装着したレンズを、7D2にセットします。
ううむ、やはり迫力。
全体的にプラスチッキーな感じ(実際プラスチックですが)は否めませんが、それでも存在感は抜群です。

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

Canon EOS 7D Mark Ⅱ+SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

さて、眺めていても何も写らないので、覚悟をもって持ち出します。
私の場合、車での移動がほとんどなので、そこから取り出すまでは大きさ、重さをそれほど気にせずに済むのが幸いです。

まずは、試し撮りです。
持ちやすさで言うと、50-500mmの方がしっくり来た気がします。
それは慣れかもしれませんが、形状的なものかもしれません。
ただ、重さに関しては、実際の撮影でも過度なストレスにはならず、バッテリーグリップを装着していない7D2とのバランスも悪くありません。

ファインダーを覗いてまず最初に感じたのは、OS(手ぶれ補正)の動作に関してです。
50-500mmではシャッターボタンを半押ししてフォーカスロックするとファインダー像が安定し(ゆったりと動くのですが)OSの効果を実感できたのですが、150-600mmのそれは本当に効いているのか?と思う程安定してくれません。
正直、壊れているのではと疑心暗鬼になり、何度もスイッチを切り替えて試した程でした。

そんな状況ですが、OSは確かに動いているようなのです。

OSモード1

OSオフ

上の写真一枚目はOSモード1にて撮影、二枚目はOSをOFFにして撮影したものです(いずれも望遠端、シャッター速度1/200秒)。
手持ち撮影なので構図はズレていますが、できるだけ脇を締め、手ぶれしないように撮影しました。

撮影した結果を見てみると、確かにOSモード1は効いていることがわかります。
しかし、ファインダー内での像の暴れにはほとんど違いが見られず、構図を定めるのに大変苦労しました。
実際、デフォルトでの設定はファインダー像の安定よりシャッターを切った瞬間の補正効果を優先し、最大化したものとのことです。

実は、シグマのレンズには、同社のUSB DOCK(USBドック)を用いてカスタマイズできる機能があります。
この設定の中にOSのモードに関するものがあり、それを“ダイナミック”に変更するとよりファインダー像が安定するとのレビューもあります。
そこで、実際にモード変更をして試したいのですが、それだけのためにUSB DOCKを購入するのも躊躇われました(実勢価格4,000円程度)。
そのため、しばらくはこのまま使って慣れたいと思いますが、AFリミッターの設定等も含め、いつかはUSB DOCKを入手することになるかもしれません。

上記ファインダー像の安定という面からも、少なくとも現設定での風景撮影においては、50-500mmに比べ三脚の使用頻度が高くなる傾向にあろうかと思います。
もっとも、望遠端+100mmもあるので、そうした方がよい面もあるのでしょうが。

その望遠端を実感するために、富士山の撮影をしました。
撮影地は富士市岩本の茶畑からです。

広角端150mm(換算240mm)で撮影

500mm(換算800mm)で撮影

望遠端600mm(換算960mm)で撮影

相変わらずの手持ち撮影で失礼致しますが、一枚目の写真は広角端150mm(7D2はAPS-Cなので換算240mm)での撮影。
二枚目は50-500mmの望遠端に合わせ500mm(換算800mm)での撮影です。

そして三枚目は今回のレンズの真骨頂、望遠端600mm(換算960mm)での撮影。
500mmとの差がお判りになりますでしょうか。
都市部のビル等を撮ればもっと明確に違うのかもしれませんが、そうした環境にいないのでいつも富士山(剣ヶ峰)が基準になってしまいます。

お次は、解像感です。
いくら廉価版ズームレンズと言っても、そこはフルサイズ対応レンズ。
シャキッとした写りには期待したいところです。

まずは、月を撮ってみました。

望遠端600mm(換算960mm)での撮影

上の写真等倍切り出し

くどいようですが、これも手持ち撮影です。
空にポカンと浮かぶ月を望遠端で撮影します。
一枚目の写真はノートリミング。
二枚目の写真はその一部を等倍切り出ししたものとなります。

手ぶれ補正のファインダー像は相変わらずですが(設定を変えていないので当然)、手ぶれ補正自体はよく効いてくれているようです。
もっとも、この時の設定は絞りf8でシャッター速度1/640秒ですから、それほどブレにシビアな状況ではありません。

等倍切り出しでの画像を云々いうことには賛否がありますが、デジタル時代の昨今、トリミングも積極的に行うケースが多いため、私もつい気にしてしまいます。
もちろん、手持ちの単焦点レンズ等と比較すれば解像感は明らかに劣りますが、焦点距離、被写体との距離を考えれば贅沢は言えません。
充分納得の範囲です。

もうひとつ、冠雪の富士山でも望遠端撮影、等倍切り出しの例を掲載します。

望遠端600mm(換算960mm)での撮影

上の写真等倍切り出し

一枚目の写真に写っている飛行機は、肉眼では全く見えませんでした。
ファインダーでも気づかず、パソコン上の画像ではじめて確認できました。
そう言う意味では、やはり600mm恐るべしです。

そして、一枚目の写真から剣ヶ峰付近を等倍切り出ししたのが二枚目の写真です。
剣ヶ峰に向かう「馬の背」の柵も写っているのがお判りいただけるかと思います。
さすがに等倍切り出しで旧富士山測候所のディテールを見て取るのは難しいですが、ここまで写るのであれば三脚+二倍テレコン等も試してみたくなります。

このレンズ、私の場合使用頻度は高くないものの、やはり一本あって損はないものだと再認識しました。
空気の澄んでいる冬場は、こうした超望遠レンズの出番が多くなります。
そんな光景をこれからどんどん撮ってご紹介できればと思います。

あくまでも現段階でのイメージですが、以下の通りです。

・質感は50-500mmの方がやや上か。しかしチープな感じはしない。

・大きさ、重さは許容範囲。

・三脚座は少々頼りない見た目だが、アルカスイスプレート装着で違和感なし。

・望遠端の写りは50-500mmのそれと比べそん色なしだが、やはり一段絞りたい。

・7D2との組み合わせでのAFスピードは大きなストレスなしで精度はまずまず。

・デフォルト設定での手ぶれ補正時ファインダー像は安定しない印象、設定変更したい。

・望遠端600mmはやはり強烈、圧縮効果もインパクトあり。

・持ち出すのは億劫だが、あると楽しいし撮影の幅も広がる!

私的には最後の点がほぼすべてです。
これだけ持ち出すのが億劫なレンズも珍しいですが、やはりこれでないと撮れない写真があることも事実です。
つまり、私にとって必要なレンズと言うことでしょう。

今後に向けては、フルサイズセンサーのカメラ(Canon EOS 5D Mark Ⅲ)での撮影や、シグマ純正のテレコンバーターUSB DOCKなども追加し、その真価をさらに高めていきたいとも思います。
特に、50-500mmと比較して大きく違和感のあるOSの効き(と言うよりファインダー像の安定)に関しては、是非とも他のモードを試して再評価したいと思っています。
つまり、結局はUSB DOCKが必要ということですね。

「600mmで何を撮るか」目的を明確に持って入手すべきレンズだと思いますが、その世界に興味がある方は是非一度味わってみてください。

  

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コメント

すぎです。
超望遠レンズの写真、凄い迫力ですね。
富士山の飛行機も、PC上で初めて分かったとか。
月面も、クレーターが見えるとか。
(とても手持ち撮影とは思えません。)
この超望遠域を使いこなすと、一体、どんな写真が撮れるのか、私には想像もつきませんです。(^^;)

また来年もよろしくお願いします。

投稿: すぎ | 2016/12/31 19:35

キートンです。
 自分 スポーツラインですので、航空祭や鳥類の撮影などをメインに手持ちの撮影、富士山は剣が峰を中心とした
 ”富士山?”に見えない写真を撮っています。
 また、楽しい写真を掲載してください。

 今年一年有難うございました。
   来年もよろしくお願いいたします。
       

投稿: キートン | 2016/12/31 23:04

すぎさん、ありがとうございます。
写真というものが、目に見えない真実をも写すのだとしたら、このレンズはそんな一助になってくれるのかもしれません。
決して登場機会の多いレンズではありませんが、今後とも楽しんでいきたいと思います。
本年もよろしくお願い致します。

投稿: あさぎり | 2017/01/01 09:08

キートンさん、ありがとうございます。
キートンさんはSportsでしたか。
私はその重さと価格に耐えられず、こちらでお茶を濁そうかと思っております。(^^;)
剣ヶ峰中心に撮ると、本当にわからない方にとっては???ですもんね。
本年もよろしくお願い致します。

投稿: あさぎり | 2017/01/01 09:09

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