富士山一周サイクリング(前編)
12月18日(日)に、サイクリングに行ってきました。
この日は、皆がとても楽しみにしていた“朝霧高原&ADT+B”(びびさん命名)サイクリングの日です。
昨年11月に再会を果たしたなるしまの旧友トキちゃん(旬の時期のみ「みかん」に改名)とその奥様びびさん、そして2年近いお付き合いをさせていただいているデローザさんに私を加えた4名が朝霧高原でのサイクリングを楽しむのです!
補給の拠点はもちろん、あさぎりフードパーク。
朝霧乳業特製のバターチキンカレー、ピッツァ、ソフトクリーム等は一行のお目当てでもあり、私が共に走る口実でもあります。
これまで何かと天気に悩まされた我らですが、この日の予報は心配する必要もないほどのもの。
あとは、絶景ポイントからの富士山が見えるかどうかだけが皆の(特にみかんの)心配ごとです。
それによって、今後のびびさんのモチベーションが大きく左右されるからです。
いつもなら4人そろってのスタートとなるADT+Bですが、この日は第一ステージが別に用意されています。
どうせなら距離を乗って我らを弄びたいみかんは、なんと新幹線新富士駅までデローザさんを迎えに行ってのスタートを提案してきたのです。
そこからびびさんの待つ山中湖までは、みかん、デローザさん、そして私の三人での走り。
嫌な予感しかしない私と、その恐ろしさを知る由もない?デローザさんでスタート時のテンションは相当違っていたと思われます。
びびさんのゴール地点に車を置くため、早朝に山中湖を出発し我が家までドライブのみかん。
5時過ぎに出発した山中湖の気温は-6℃だったとのこと!
それにしても、そんな努力までして我らを引きずり回したいのですから、ある意味頭が下がります。
私は自宅でノソノソ準備。
そして、予定通り到着したみかんと一緒に、7:00過ぎに出発します。
自宅から新富士駅のある富士市街までは、下り基調。
標高差で150m程下がります。
この標高は、どうせ後で上るもの。
ちょっともったいない気がしますが、走りたいというモチベーションには敵いません。
大月線まで下り、傾斜の緩くなった道をひた走ります。
途中「まっすぐですよね」と言いながら、みかんが前に出てくれます。
牽いてくれるのはありがたいのですが、私のペースより明らかに速く、不安も募ります。
実は、最近の私は努力不足もあり、普段より強度が高まると後に脚が攣る傾向にあります。
やはりデローザさんと一緒だった本栖みちのサイクリングや、秋のなるしま会長ランの往路でも酷い目に遭っています。
それに加え、この日の私には三つのビハインドがあります。
一つ目は、喘息。
どうもここ数年冬場になると咳が止まらない症状が出ていたのですが、意を決して(妻に命じられて)行った医者でまさかの宣告。
一週間ほど前から薬を服用し、治療がはじまっていました。
二つ目は、練習不足。
11月最終の日曜日に、このメンバーで60km程乗った翌週は乗れず。
12月に入ってこの日までの走行距離は、わずか50km程でした。
三つ目は、二日酔。
前夜、お得意様の忘年会にお呼ばれし、生ビール、日本酒、焼酎とご馳走になりました。
帰宅は身延線の終電。
よい酒で悪酔いしなかったのが幸いですが、これがどう出るかわかりません。
そんなことを考えながら、なんとかみかんの走りを抑え、新富士駅へと向かいます。
途中、いつもの歩道橋に上がり、富士山を撮影。
この素晴らしい天気ですが、この後デローザさんが合流すればどうなってしまうかわからないからです。
なんたってデローザさんは快晴予報の箱根で雪を降らせる男なので侮れません。
この日も、私の背中ポケットにはCanon PowerShot G9 Xが入っています。
みかんも同機種、そしてデローザさんは同社のPowerShot G7 Xと、皆この系列のカメラです。
撮影後、再び道路へと戻れば、もうすぐそこが新富士駅です。
いつも通り始発のこだまで到着するデローザさん。
まるで通勤電車かのようなペースで当たり前のように来静いただけるデローザさんには、これまた頭が下がります。
こうした方々のおかげで、私は自宅から出発しながら一緒に走ることができるわけです。
会話を交わしながら自転車を組み立てるデローザさん。
ひたすら朗らかなその表情と、一抹の不安を抱える私の表情には明らかな差がありましたが、皆一様に平常時のテンションよりは高く、この天気の下でのサイクリングを楽しみにしています。
山中湖で待つビビさんのもとになるべく早く到着すべく、すぐに走り出します。
走り出してからしばらくはドがつくほど平坦な富士市街を走り抜けます。
富士山は相変わらずクリア。
さすがのデローザさんも、今日はいささかパワー不足のようです。
やがて、道は少しずつ上り坂になってきます。
それもそのはず、限りなく海抜ゼロに近い富士市街から、ひとまずのピークとなる十里木までの標高差は優に800m以上あるのです。
しかし、そんなことを知ってか知らずか、デローザさんの表情はあくまでも朗らかです。
実は、富士市街から県道24号大渕付近までの道は、私にとっても初体験。
マップで見ると細く入り組んでいる様子もありましたが、ひとまずルートミスをすることなく進みます。
そんなわけで、ここでは私の先頭固定。
ペースも平和なものです。
やがて、東名高速を横切ると、次第に斜度がきつい場面が増えてきます。
既にずっと前からフロントギアはインナー。
リアを一枚ずつロー側に移し、なんとか上っていきます。
ただし、この辺りはまだ序の口。
標高で言えば、まだ自宅付近まで戻ったに過ぎません。
やがて、県道24号は本道へと合流し、一気に道幅が太くなります(片側一車線ですが)。
それとともに、斜度は高位安定、いよいよ本格的な上りのスタートです。
そして、ここで恐れていたことが起きます。
これまで背後でおとなしくしていたみかんが、前に出たのです。
道幅も太く、この先ずっと一本道。
そんなことを察しての行動でしょう。
時折ペースを上げては、我々を撮影してくれるみかん。
そのギアを見ると、フロントがアウターに入っています。
53Tではないと言うものの、アウターローは52×23T。
10%はあろうかと言う坂を上るギア比ではありません(少なくとも私達には)。
みかんが前に出ると、ペースが上がります。
彼は自分でも言っている通り、同行者を「生かさぬよう殺さぬよう」虐めながら牽くのが得意。
また、私は以前の癖でどうしてもその(マイペースよりちょっと速い)前を追ってしまう習性が抜けていません。
くどいようですが、この日の私には三重苦が。
ところが、実際にみかんに追従してみると意外と上れるのです。
喘息の薬で気道が開いているのか、パワーを上げてもこれまで程息が苦しくありません。
恐るべし、ドーピング効果!
気づくと、デローザさんが少し離れています。
しかしこれはいつものこと。
途中写真を撮ったりして間隔が開いても、すぐまた後ろにいるのが持ち味です。
思ったより上れることに気をよくした私は、この表情。
自分でも嫌になる程単純です。
そしてやはり、背後からはデローザさんが猛追してきていました。
みかんは前になり後ろになり我々を撮影。
いたぶられる小動物のような我々が、それに抗う術もありません。
みかん撮影の写真では勇ましくダッシュしているように見える我らですが、そのギアは遠慮なくインナーローに叩き込まれています(デローザさんは余らせていたようですが)。
しばらくマイペースで走れていた私達ですが、再びみかんが前に出るとペースが上がります。
先にも書いたように、私は悲しき習性で追います。
すると、またもやデローザさんとは間隔が開きました。
もういいだろうと言いたくなるくらい、延々と斜度のきつい坂が続く県道24号。
それでも、左手から国道469号が合流してくれば、ここからは走り慣れた道です。
デローザさんの姿は見えなくなってしまっていたので、責任を取ってみかんがこの先で待つことにします。
あさぎりさんはゆっくり行ってと言われましたが、もう上りはあと少し。
私も途中で待って、二人の写真を撮ります。
何しろ、ここまではカメラを取り出す余裕すらなかったですから。
ここまでくれば、富士山こどもの国まであと1km程の上り。
そのあとは軽いアップダウン、そして富士サファリパーク手前からは下りです。
この日は気温が高く凍結の心配はない道でした(その分汗はやたらとかいた)が、路面はセミウエットのため慎重に下ります。
そして、サファリ入り口の先、忠ちゃん牧場そばの道に入り、富士山を撮影。
ここからの絶景も楽しめたのは、やはりデローザさんを弱らせておいたおかげでしょうか。
まったくもって何が幸いするかわかりません。
国道に戻り、さらに慎重に日陰を下ります。
途中信号で須山方面に左折。
ここからはダイナミックなダウンヒルポイントです。
私は重さを活かして疾走。
ほとんどクランクを停めたままですが、下りきったコンビニで二人を撮影する程度の差はつきました。
須山のサークルKはファミリーマートへと姿を変えていました。
いずれにせよ、ここは富士山一周時、富士南麓の貴重な補給、休憩場所。
時間は押していましたが、この後籠坂峠への上りに備え、ここで補給することにします。
みかんはナポリタンパスタとパン、私はおにぎり二個とアイスにパンとやや過剰気味に補給。
デローザさんもアイスを追加して補給は万全?かと思われました。
が、ここでの塩分補給不足がこの後デローザさんを窮地に追い込むとは知る由もありません。
少々ゆっくり目に休憩し、再びスタートします。
東富士演習場内から見る富士山には、少し雲がかかりはじめていました。
このままでは、今日最大の目的である山中湖パノラマ台からの富士山に不安が残ります。
途中、道を知っているみかんが前に出てペースアップ。
緩やかなアップダウンですが、これが脚にきていると辛い。
習性で背後に張り付く私と、あくまでもジェントルにマイペースなデローザさんとの間隔は再び開きます。
それでも、要所要所で我々の背中が見えるように調整して進む二人。
これがみかん流「生かさぬよう殺さぬよう」なのでしょう。
やがて、須走へとつながる国道138号に出るポイントへ。
ここでデローザさんを待ち、三人そろって国道へと出ます。
国道138号須走までの道は、それほどきつくない斜度。
しかし、ここまでの走りで脚にきている私(とデローザさん)には堪えます。
私の脚は幸いにして攣る兆候は見えず。
コンビニで梅おにぎりを補給しておいたのがよかったかもしれません。
しかし、気づくとまたもや離れていたデローザさんは、私とは逆に脚攣りの兆候が出ていたとのこと。
そうとは知らず、我々は呑気に須走へと進みます。
やがて、自衛隊駐屯地前に到着。
ここで富士山を撮影しながらデローザさんを待つことにします。
それにしても素晴らしい富士山。
先ほどの雲は取れ、またクッキリとその姿を現してくれています。
しばらく待ってもデローザさんは現れません。
もしかしたら、国道138号側道分岐の先を、須走市街の方に回ってしまったのかと話し合います。
だとすると、ここで待っていては先行されてしまいます。
ひとまず、道の駅すばしり手前まで行くことにしてスタートします。
国道の高架をくぐる地点で、後ろにデローザさんが見えたとみかんが告げてきます。
そこで、私がペースを落として待ち、みかんには先に行ってもらうことに。
これは、当初から予定していた行動です。
山中湖のホテルロビーで待つびびさんを先に迎えに行き、パノラマ台入り口付近のコンビニで再合流するという計画は前打ち合わせで決めていました。
アタックかと思う程の鋭い加速で去っていくみかんの後ろ姿を見送ります。
さて私はと言えば、ストップしてデローザさんを待つ余裕はなし。
少しずつでも前に進んでおきたい気持ちがあり、ノタノタと峠を上ります。
途中、いつも撮影する日の当たるカーブでデローザさんを待つことに。
ここまでくれば、もうそれほど厳しい坂もなく籠坂峠を越えられるからです。
しかし、待ってもデローザさんは現れません。
5分程して、さすがに何かあったのではとスマフォを取り出すとメッセージが。
「脚が攣って休むので先に行ってほしい」とのことです。
戻ってサポートするほどの余力もありませんし、それでは却ってデローザさんが辛いかと、ここは先行することにします。
ようやっとのことで籠坂峠を越え、下りに。
湖畔に出て右に折れ、平野を目指します。
もうすっかり脚に余裕などなく、抜き去るサイクリストにもつけず。
ただマイペースでセブンイレブン山中湖平野店に到着すると、肉まん、あんまんを手にトキちゃんとびびさんが待っていました。
弱った私はへたり込みながらも、びびさんとの再会を喜びます。
後編へ続く
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