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FUJIFILM X70(実写編)

サイクリングでの撮影メインに(それだけではないですが)導入したFUJIFILM X70の実写編です。
導入編に関しては、こちらをご覧ください。

さて、なにはともあれ使ってみるとしましょう。
サイクリングでいきなりデビューも厳しいため、まずは日常のシーンで持ち歩きます。
なお、撮影はすべてJPEG、フィルムシミュレーションは初期設定のまま(PROVIA)です。

記念すべきファーストショットはこちら(試し撮りはこの前にしましたが)。
いつもの自宅付近からの富士山です。

FUJIFILM X70にて撮影

この写真は撮って出しJPEG。
リサイズのみで調整は一切していません。
また、カメラ設定もほぼ初期設定のまま。
暗部は潰れているように見えますが、シャドウを持ち上げるとある程度は残っています。
ダイナミックレンジの設定は色々と弄ってみたいところです(この時はDR100固定)。

続いて、出勤時のひとコマ。

FUJIFILM X70にて撮影

こちらもJPEG撮影リサイズのみです。
何気ないシーンですが、中央部をピクセル等倍で切り出してみても(無粋は承知)しっかりと描画しています。

中心部ピクセル等倍

さすがは大型のセンサー(APS-C)とローパスフィルターレスですね。
これなら、トリミング耐性も低くないでしょう。
輪郭部に多少のノイズが乗っているように見えますが、これが立体感に繋がっているのはFUJIFILMの画づくりの特徴です。

さて、こんな被写体ばかりでは何なので、富士市にある岩本山公園に立ち寄ります。
ここでは、ちょうどこの時期(6月上旬)紫陽花の花が咲き揃う頃です。

公園に入るとまず目に飛び込んできたのは紫陽花ではなく何かの(不勉強です)木。
その枝に付く小さな蕾の形が可愛らしく、思わずレンズを向けます。

FUJIFILM X70にて撮影

この被写体にAFで合焦するのは至難の業でしたが、何度目かのトライで成功。
ちなみに、AFはシングルポイントとし、背面モニタのタッチパネルで選択する設定としています。
タッチパネルのタップではAFポイントの選択の他、合焦後シャッターを切るタッチシャッターにも対応しています。

ちなみに、タッチパネルによるAFフレームの選択は便利です。
これはCanon PowerShot G7X(以下G7X)等でも好んで使ってきました。
X70ではその選択が7×7の49エリアとなっており、カバー率が高い上にフレームサイズも数段階に変えることができ、よりピンポイントへのピント合わせが可能となっています。

しかし、AFポイントの並びが微妙で、フレーミングガイドに9分割を選択した際、その交点に合わせることができません(フレームサイズを小さくしてもAFポイント数は変わりません)。
慣れの問題かもしれませんが、この点ではストレスが溜まります。

続いて、紫陽花を撮影します。

FUJIFILM X70にて撮影

この写真は絞り開放(f2.8)です。
薄い雲がかかっている晴れと言ってよいか微妙な天気でしたが、この状況で絞りを開けるとメカニカルシャッターの限界(絞り開放の場合は1/1000秒)はあっさりと超えてしまいます。
カメラの初期設定がメカニカルシャッターのみとなっていたので、露出はオーバーに。
設定をメカニカルシャッター+電子シャッターに切り替え、カメラが選択したシャッター速度は1/2700秒でした(上の写真)。
ちなみに、f8まで絞り込めばメカニカルシャッターは1/4000秒まで切ることができます。

X70のベース感度がISO200である事も、シャッター速度が上がる要因のひとつ(拡張でISO100が選択できますがその場合電子シャッター併用ができないとのこと)。
開放付近での高速シャッター実現が難しいのはレンズシャッターの構造的な問題とは言え、これを踏まえると開放での速度限界はもう少し頑張ってほしかったと感じます。
NDフィルタを使用しない限り(残念ながら内蔵NDフィルタはなし)、晴れの屋外で開放付近を使う際には、ほぼ電子シャッター使用と割り切るしかありません。
それも踏まえての電子シャッター装備なのでしょう。

そして写真をご覧いただければお分かりの通り、焦点距離18.5mm(35mm判換算28mm)、開放F2.8のレンズではとろけるようなボケは期待できません。
そうした写真が欲しければ、同じサイズのセンサーでもより焦点距離が長い、また明るいレンズとの組み合わせが必要になります。
もちろん、被写体との距離などによっても異なりますので一概には言えませんが、このカメラは所謂「飛び道具」ではないと言えるでしょう。

とは言え、シーンによっては充分ボケ味を活かした撮影が可能です。

FUJIFILM X70にて撮影

FUJIFILM X70にて撮影

上の二枚は絞り開放のまま、フォーカスポイントを変えて撮影しています。
紫陽花にピントを合わせた一枚目と、向こうのカップルにピントを合わせた二枚目、明らかに異なる写真としてつくり上げることができます。
タッチパネルによるAFフレーム選択は、こうした画づくりにも力を貸してくれます。

なお、上の二枚を含め以降の写真は、コントラスト等を調整(Adobe Photoshop Elementsにて)してあります。

今度は、絞りによる画の変化を見ていきます。

絞り開放(f2.8)にて撮影

f11まで絞って撮影

三脚を使用していないため厳密にフレーミングが合っていませんが、上の二枚は同じ場所から絞りを変えて撮影したものです。
一枚目が絞り開放(f2.8)での撮影、二枚目はf11まで絞っての撮影です。
X70に登載された点像復元処理は絞り込んだ際の画質低下を防ぐとのことですが、私のレベルではそれを実感することはできていません。

背面モニタのチルト機構はローアングルでの撮影も容易です。
下の写真は、絞り開放にして地面スレスレから撮影したもの。
独特の雰囲気を持つ写真を撮ることができます。

FUJIFILM X70にて撮影

時間もなかったので、早々に岩本山公園を後にします。
公園の梅の木には、取り残された梅の実がいくつか。
この梅の実にAFでフォーカスしようと思ったのですが、ついぞ成功せず(奥に抜けてしまう)。
結局MFを使用することとなりました。

FUJIFILM X70にて撮影

コントラストAFに像面位相差方式を組み合わせたX70のインテリジェントハイブリッドAFはG7X等と比較しても高速ですが、シーンによっては苦手とする被写体もあるようです。
ちなみに、コントラストの低い被写体(霞んだ富士山の稜線や雲の濃淡など)にはAFが利かず、AEロックをした上で他の目標物にてAFをセットするなどしています。
これは、G7Xや以前使ったRICOH GR(以下GR)などと同様で、今のところ像面位相差の恩恵は(こうした意味では)感じ得ていません。

続いては、これもX70の大きな特徴であるデジタルテレコンバーターです。
本来の画角である28mm相当に加え、画像処理により35mm相当、50mm相当の画角に切り替えて撮影することができます。
RICOH GR Ⅱのクロップ機能とは異なり、いずれもフル画素(4896×3264ピクセル)での記録となります。

28mm相当で撮影

35mm相当で撮影

50mm相当で撮影

上の三枚は、一枚目が通常(28mm相当)で撮影したもの、二枚目と三枚目は同じ場所からそれぞれ35mm相当、50mm相当で撮影したものです。
画質の劣化に関しては細かく見ていませんが、少なくとも画面で縮小されたイメージを見た限りでは違和感なく受け入れられます。
この切り替えが、レンズ周辺のコントロールリングで行えるのはとても便利です。

撮影時に背面液晶モニタ上部には、デジタルテレコンバーターの表示(35mm、50mm)表示がされます。
しかし、撮影後パソコン等に画像を取り込むと、それがどの画角で撮影されたのかは情報として保持されていません。
この点に関しては注意が必要でしょう。
また、当然のことですが、50mm相当にしたからと言って50mm F2.8の被写界深度になる訳ではありません。
あくまでもボケは28mm相当であることをご承知置きください。

上手く使えば3本の単焦点レンズを持ち歩いている感覚での撮影が可能なこの機能。
X70の使い勝手を大きく向上させていると言っても過言ではありませんね。

そして、日曜日にいよいよ主目的であるサイクリングに持ち出しました。
汗を防ぐためのビニール袋にくるみ、サイクルジャージの背中ポケットへ。
横幅は私のポケットでほぼ一杯、重さはPowerShot G7X同様、少々ずっしりと感じます。

レンズ部の突出(アダプターリング、フィルタ、キャップにて15mm程長くなっている)は、Panasonic LUMIX DMC-GM1S(以下GM1S)にキットレンズを装着した時と比べ気になりません。
きっと、本体重量が重いので、重心が背中側にあるためでしょう。
これにはちょっと安心しました。

最初は重く感じたX70ですが、走り出してしまうとあまり気になりません。
少なくとも、シッティングでクランクを回している内は、その存在を強く意識することなく走れました。
路面が荒れてバウンドするような場面では、その重量ゆえにポケットが大きく上下に揺れます。
しかし、ダンシングも含め、ポケットから飛び出してしまうような不安感は皆無でした。

サイクリング途中で、ポケットから取り出し何度か撮影します。

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

今回のサイクリングはあえて撮影メインではなく、走りメイン。
そのため、絞り優先ではなく、絞りもオートとして撮影しました。
キャップを外すと言うひと手間が加わるため、速写性はG7Xより劣ることは事実です。
しかし、レンズの繰り出しが必要なGM1Sよりはスピーディーで、起動の高速さもストレス軽減に寄与しています。

上の写真一枚目では、朝の太陽をもろに画角内に入れていますが、フレアやゴーストの出方は自然で好感が持てます。
少々の逆光ではコントラスト低下もなく、頼りになるレンズと言えるでしょう。
G7X、GR、GM1Sと同様にデジタル水準器を備えているため、水平出しは容易です。

まだ100km程度の走行ですが、サイクリングカメラとしての性能も充分に有していると判断しました。
ただし、重量、大きさに関しては他を上回るので、走り優先のサイクリングでは他を選択する可能性も多いにあります。

あくまでもサイクリングカメラとして見た場合の特徴(メリット)は、それぞれ下記のようになります。

【Canon PowerShot G7X】
 ・レンズが繰り出し式で小型
 ・レンズバリアを備え、電源ONのみで撮影可能
 ・換算24mm-100mmの4倍ズーム(デジタルズームも有)
 ・開放F1.8-F2.8の明るいレンズ
 ・定評あるセンサーと画質

【RICOH GR】
 ・APS-Cセンサー
 ・横幅はあるものの、軽量
 ・レンズバリアを備え、電源ONのみで撮影可能
 ・換算28mmに加え、35mm、47mm相当で撮影可(クロップ)
 ・速写性に優れ、洗練された操作系

【Panasonic LUMIX DMC-GM1S】
 ・レンズ交換式でありながら小型・軽量
 ・4/3型センサー
 ・換算24mm-64mmの手動ズーム(キットレンズ)
 ・軽快なレスポンス

【FUJIFILM X70】
 ・APS-Cセンサー
 ・定評あるJPEG画質(発色)とホワイトバランス
 ・撮る楽しみを感じられる操作系
 ・換算28mmに加え、35mm、50mm相当で撮影可(デジタルテレコン)
 ・軽快なレスポンス
 ・上下チルト式背面モニタ

実は、ロードレーサーによるサイクリングと撮影のバランスを考えた場合、私にとってのベストバイはこの中になく、Canon PowerShot G9 Xだと思っています。
散々記事を書いてきて何だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、1.0型センサーとDIGIC 6を搭載し、小型軽量(209g)でズームレンズ(換算28mm-84mm)を備えたこのカメラは高速ツーリングにピッタリ。
レンズの開放F値はF2.0-F4.9とG7Xと比較して明るくなく、広角端も28mmからとなりますが、その分無理をしていないため写りにも期待できます。
実際、使っている方の評価も高く、G7Xで画質面に関してもよく理解しているため、いつか手に入れることになると思います。

では、X70の立ち位置はどこにあるのかと問われると、使い込んでみないとわからないと言うのが本音です(無責任)。
大きさ、重ささえ許容できれば、サイクリングカメラとして写りには大いに期待できます。
独特の操作系には好みがあるでしょうが、私は嫌いではありません。
そして、サイクリングに特化せず、日常持ち歩くカメラと考えた時、その魅力はさらに広がっていくでしょう。

何度か書いていますが、このカメラは決して「飛び道具」ではありません。
ローパスレスAPS-Cセンサーに単焦点レンズと言う組み合わせから飛び抜けたものを期待するかもしれませんが、APS-Cセンサに換算28mm開放F2.8のレンズと言う組み合わせにはとろけるようなボケも紙のように薄い被写界深度もありません。
しかし、目立った周辺光量落ちや周辺の歪曲もなく、極めて素直な描写をしてくれる安心感、それがそこにあります。

実際、飲食店で料理の撮影などして見ると、これが実に旨そうに撮れるのです。

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

FUJIFILM X70での撮影

GRもそうなのですが、X70も決して肩肘を張って使うカメラではありません。
むしろ、肩の力を抜いて、日常に潜む光景の撮影を楽しむカメラなのでしょう。

サッと取り出し、パッと撮る速写性に関しては、GRの方が上だと感じます。
目にした光景を素早く切り取るならGR、X70はじっくりと被写体に向き合う気持ちを大切にするカメラだとも感じました。
これは決してX70の速写性を否定するわけではなく、設定を煮詰めて撮る楽しみも得られるカメラだと言う意味です。

正直、サイクリングカメラとしては当初期待した程のインパクトを感じ得ていないのが現状です。
しかし、あらゆるものにレンズを向けたくなる撮影への(穏やかな)意欲は感じさせてくれるカメラです。

今後、さらに使っていくにつれ、そんな意欲が写真に現れてくれることを期待しています。

  

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