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浜石岳サイクリング

1月31日(日)に、サイクリングに行ってきました。

この日の天気予報は晴れ。
前日土曜日の雨も昼過ぎにはあがって晴れてくるとの予報でした。
ところが、前夜の雨は断続的に遅くまで降り続き、不安が残る状況です。
それでも翌朝には晴れるだろうと、早朝(と言っても6:30頃ですが)の出発予定でアラームをセットし就寝しました。

そして日曜日朝、起きて外を見ると雨は降っていません。
しかし、路面はまだ濡れており、相当遅くまで雨が降っていたことがうかがえます。
こんな路面状況の場合、本来であれば当座上り坂となる朝霧高原方面に走るのですが、残雪や前夜の雨が凍結している恐れもあるため、前週(Sさんと一緒に走った)と同様、海沿い方面へと走ることにしました。

実は、そちら方面へと走るに当たっては、目的があります。
それはかねてより「激坂」と聞いている由比の浜石岳に上ってみようということ。
海沿いから急激に上る斜面は、キツイところでは20%を優に超え、なだらかに見えるところでも10%以上との話。
正直、私の実力で上れるかは不明ですが、こんな時、そして一人だからこそ、こっそりとチャレンジするには最適な状況でした。

そんな訳で、自宅を出発し富士宮市街へと走ります。
いつもと異なり、やや下り基調のスタート。
気温が低く、空気の冷たさも感じます。

富士宮市街を抜け、松野へと続く上り。
短い坂を一気に上り、ここから長めの下りへと入ります。

松野への下り

路面状況は、ご覧の通りです。
飛沫を上げるほどではないものの、ウエットな路面には少々気を遣います。
陽光が恋しく感じながら、ゆっくりと下ります。

気温は一向に上がってくる様子がありません。
これは、朝霧高原方面に向かわず、正解だったかもしれません。
もっとも、この段階では富士山方面の方が雲が薄く、青空も見えていましたが。

松野へと下り、蓬莱橋で富士川を渡ります。
ここまでは、ほぼ前週と逆回りのコース。
この先、大代峠への上りもそのコースです。

実は、私は大代峠を富士川側から上るのは初めて。
下ったことはあるので傾斜や距離は何となくわかりますが、上るとまた印象が違うのはいつものことです。
途中、大きな岩が転がっている道にやや気持ちを引き締めながら上ります。

この岩はもしや上から?

工事中の個所を過ぎると、傾斜はどんどん急になります。
由比側よりややスタートの標高が高いため楽かと思っていましたが、そんなことはなさそう。
こんな調子で浜石岳など無謀ではないかと思いながらも、ひとまず坂を上っていきました。
間もなく峠と言う地点でようやく、雲間から青空も覗いてきます。

もうすぐ峠

やはり、由比側より最後はややあっけなかったでしょうか。
浜石岳にかすかな希望を残しながら、大代峠からの下りに入ります。
気温はちっとも変化なく、ここの下りもスピードは上げずに下りました。
路面は、先ほどまでよりは多少乾いてきている感じです。

やがて、由比に到達。
東海道はドライコンディションです。
こちらでは、夜早いうちに雨が上がっていたのでしょうか。
それとも交通量の問題でしょうか。

由比川を渡る

入山入口の信号から興津方面に走ると、あっという間に浜石岳の上り口に到達します。
心の準備をする時間などありません。

浜石峠の上り口

これはある意味、迷いが生じる隙がなくてよかったのかもしれません。
フロントをインナーに落とし、峠道に入っていきます。

しばらく走ると、東海道新幹線を渡る陸橋があります。
ここでは、過去に何度か新幹線の写真を撮ったことも。
さらに、付近の由比陣笠山公園には、子供を連れてローラー滑り台を楽しみに何度か来ています。

東海道新幹線

つまり、ここまではそこそこ馴染んだ道。
さて、ここからはいよいよ未知の領域へと入っていきます。

陸橋の先で何度か道が折れ曲がりますが、浜石岳を示す道標が立っているので迷うことはありません。
集落の中を左に折れると、いきなり上りがはじまりました。

いよいよ上りのはじまり

最初のうちは、上れない坂ではありません。
それでも、フロント39×リア23Tと、リア一枚のみ残すギアで立ち漕ぎ(ダンシングなどと言う華麗なものでなく)で上っていきます。

そして、ほどなく(本当にすぐ)本格的な激坂登場。

いや~、キツイです。

ひたすらキツイです。

よじ上る感じです。

リアの一枚はあっけなく放出。
39×25Tのファイナルロー勝負となります。
それでも、シッティングなんてもっての外。
立ち漕ぎで目いっぱい引き腕を使います。
カーボンハンドルが折れるのではないかと心配するほど(大げさ)力を入れてハンドルを引き付けます。

息はゼイゼイハアハア。

心臓はバクバク。

パワーメーターも心拍計もつけていないので実際のところは不明ですが、きっと今の自分の力一杯です。

それでもよく耐えて上っていった私。
ところが、激坂途中にある濡れたグレーチングで、懸念した通りリアホイールがスピン。
推進力を失い万事休す、ここで初めての足つきを経験します。

しばし息を整え、ここは何とか再スタートを切ります。
激坂は100m程続くといくらか斜度が緩くなる感覚。
しかし、評判通りそれでも10%以上の坂です。

そして、休まる間もなく、またも激坂。

この後、みかん畑の中で再度ストップ。
心拍が落ち着くまで自転車によたれかかるように休みます。

う~ん、久々の屈辱。

もとより自分の実力を過信していたとも思えませんが、それでも想像以上の坂に挫折感一杯でした。

ここからの再スタートは厳しそう(ペダルをはめる自信がない)。
仕方なく、傾斜が多少ゆるくなるカーブまで20~30m程歩きます。
歩いていても、クリートのついた靴では恐怖を感じます。
そんな斜度です。

再乗車。

ゼエゼエハアハア。

心臓バクバク。

この後、もう一度ストップ、ちょっと歩き、再乗車となります。
そして、その後は歩くことこそなくなりましたが、写真撮影のためのストップ(と言うことにしておいてください)は二度程しました。

浜石岳への上り坂

浜石岳への上り坂

事前に聞いて(読んで)いた通り、あまりの激坂に12~13%の部分は楽に感じるというのは本当。
普段なら汗だくでペダルを踏みしめるような坂が、シッティングで流すように感じます。

長い直線の上り激坂をクリアし静岡市浜石野外センターに近づくと、これ以降は斜度も常識的な感じとなります(もしかしたら麻痺しただけ?)。

やがて、野外センターの入口に到達。
ここで折り返したい気持ちもありましたが、道標によると浜石岳山頂はまだ先。
右手の道がそれへと続くようです。

野外センター入口

ここで折り返したら(折り返さなくても)二度とここまで来ることはなさそうなので、ひとまず右手に進むことにします。

当初ちょっと下りますが、それもつかの間で、すぐにまた上り坂となります。
ただし、先ほども書いた通り、斜度はいくらかマイルドに。
先に進んだことを(激しく)後悔するほどではありません。
逆に、ここまで撮る気に全くなれなかった風景を撮影する余裕も出てきます。

海に差し込む陽光

もっとも、神秘的なこんな光景を前にしても、ここまで上ってきた甲斐があったとは全く思えません。
そのくらい、打ちのめされていたというのが事実なのでしょう。

そして、突然現れたそっけないスペースによって、登坂は終了。

舗装路はここまで

ここから浜石岳山頂までは、未舗装の登山道で上るしかなさそうです。
さすがにその道を進む元気はありませんでした。
メーターに表示された標高は660m程、ルートラボによるとこの地点で688mとのことです(誤差があります)。
浜石岳の山頂は707mとのことなので、山頂まではあとほんの少しなのでしょう。

心拍を落ち着かせながら、周囲の風景を撮ります。
残念ながら、富士山(があると思われる方向)は雲の中でした。
眺めはパノラマと言うわけにはいきませんが、富士川河口や富士市街がよく見渡せます。

富士川河口方面を見下ろす

ここまで立ち止まることなく上ってきたとしたら、間違いなく達成感や征服感が得られた光景。
しかし「惨敗」と言う言葉が頭をよぎる中では、先ほど同様、事務的にシャッターを押すのみとなります。

なんにせよ、ここまで(ほぼ)自転車で上ってきたことは事実なのですが。

時間の関係もあるので、早々に下りはじめることにします。
もちろん、ダウンヒルなどと言う爽快な言葉で表現できるような下りではありません。

山頂付近からしばらくは、先日の強風で落ちた針葉樹の葉が雨にぬれ、実にスリッピーな様相を呈しています。
実際、上ってくるときにも一度リアホイールが空転しています。
もう、腰は引け、おっかなびっくりの下りです。

最初はブラケットを持って握っていたブレーキレバーですが、次第に指が疲れてきます。
野外センターを過ぎた後は、ハンドルバー下を握り、まるでゴールスプリントのような姿勢でレバーを引きます。
速度は概ね10km/h台。
最高でも25km/hは割っていたと思います。

途中、ザックを背負い、登山装備のハイカーたちとすれ違います。
何かのイベントなのか、数人ずつ何組も何組もやってきます。

後に聞いたところによると、この道は登山道の一部を舗装したものとのこと。
登山者用の未舗装路を歩いていても、一部はこの舗装路に合流するしかないようです。
実際、何度か登山道への分岐やそれが横切っていくポイントがありました。

ここまできて、初めて気づきました。
普通、私たちが走る山岳路は「峠道」です。
つまり、車がそこを越えることを前提とした交通道路です。

それに対し、ここはあくまでも「登山道」なのです。
野外センターや山頂のアンテナ搭の保守目的で舗装はされていますが、まぎれもない登山道なのです。

それに最初から気づいていれば、もう少し確固たる覚悟で臨むことができたはずです。
だからと言って、軽快に上れたわけでは全くありませんが。
むしろ、私の実力で「登山道」に近付いてはいけなかったのです。

せっかく富士山の激坂「ふじあざみライン」を避けてきたのに、近場にあったのでついうっかり上ってしまいました。

引き続きそろそろと下ります。
スピードに乗らないので、下りはあっと言う間との感は全くありません。
逆に神経を使い、その面では上りより疲れるほどです。

ようやくドライになった路面で停車し、下りの様子も撮影します。
写真に撮ってもなかなか感じてもらいにくい斜度ですが、ここまでのものだとさすがに別世界なのがお分かりいただけるかと思います。

浜石岳の下り

道はやがてみかん畑の中に入ります。
ハイカーの団体は相変わらず続き、陽気な話し声がすれ違っていきます。
登山なら、さぞかし楽しい道なのでしょう。
登山なら・・・。

ようやく激坂の下りを終えた時には、ヘトヘト。
「またどうぞ浜石岳へ」の看板につっこみを入れる元気もありません。

またどうぞ浜石岳へ

ピュアクライマーのトレーニング(ふじあざみラインを想定した練習等)ならいざ知らず、普通のロード乗りサイクリストが楽しめる道でないことは確かです。
いつの日か、体重が絞れたら(もしくはコンパクトギアを装着したら)今度はノンストップにチャレンジと言う気持ちがないわけではありませんが、しばらくは忘れたいと思いその場を後にしました。

なんとか無事由比に降りてからは、今度は時間との闘い。
門限の10:30までに余裕はありません。
東海道を由比、蒲原、新蒲原、富士川と走ります。

富士川でちょっと迷いましたが、激坂(岩本山方面)はもうお腹いっぱい。
鷹岡経由も道が細く走りにくそうです。
遠回りでも緩やかで安全な道をと、富士川楽座前を通って再び松野へと向かいます。

蓬莱橋を渡り、松野の上りへ。
もはや、平坦にしか感じません。
とは言え、きっちりフロントはインナーでしたが。

浅間さん前から神田通りを経由し、自宅へ。
自宅到着は、門限の4分前でした。

結局、ここまでこの日の走行距離は59.86kmで獲得標高は1,341m、実走行時間は3時間31分10秒で平均速度は17.0km/hでした。
この日の走行ルートは以下の通りです。

この後、子供たちの希望で駿河湾沿いサイクリングに出ることに。
車に自転車を積んで、ふじのくに田子の浦みなと公園へと向かいます。

そこから道の駅富士までの往復、今度は真っ平らな約12kmを、娘のペースでのんびりと走りました。
それもあってか、筋肉にダメージが残らなかったのが唯一の救いかもしれません。

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コメント

この激坂を自転車で登ったことに絶句しています。
そして「下った」ことに、もっと絶句しています。
(明らかに、下りの方が恐ろしく感じます。)
ここまで凄いと、お身体も、自転車本体も、かなり負担がかかっているのではないでしょうか。


投稿: すぎ | 2016/02/10 23:28

すぎさん、ありがとうございます。
仰る通り、自転車で上るべき坂ではありませんでした。
もちろん、下るべき坂でもありません。
しかし、ここを練習場所にしている恐るべき方々もいらっしゃいますから驚きです。
私にとっては、単なるアドベンチャーでした。

普段はあまりハンドルに力を入れない私ですが、この時は目一杯引きつけます。
気にしたことないカーボンハンドルの強度を気にした位でした。
身体の方は、先に心拍が限界を迎えたので、筋肉へのダメージはほぼありませんでしたs。(^^;)

投稿: あさぎり | 2016/02/11 06:47

キートンです。
 ”ふじアザミライン” シーズン閉鎖される前に一度行ったことがあるのですが、それと同じような斜度、凄いと言うか何と言うか、やはり 好きだからなのですか?

投稿: キートン | 2016/02/11 22:47

キートンさん、おはようございます。
ふじあざみラインは数ある五合目の中でも激坂で知られ、毎年自転車の国際レースも開催される会場です。
私の体型、実力だとさすがに20%を超えるような坂は避けようと、これまで近づかずにきました。
なにを隠そう、自動車でも上ったことがありません。
にもかかわらず、近場の浜石岳に行ってしまったのは、やはり、好きだからです。(^^)

投稿: あさぎり | 2016/02/12 07:03

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