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3月4日のパール富士

富士山頂(白山岳と雷岩)からのパール富士

昨日(3月4日)は、朝霧高原の各地で富士山頂から月が昇る「パール富士」が見られる日でした。

太陽が昇る「ダイヤモンド富士」は季節で一貫性があり、規則的に撮影場所が変わっていくのでわかりやすいのですが、パール富士に関してはどうも読み切れません。
専用ソフト等を使い計算すれば導き出せるのですが、数学、地理ともにからっきしダメな私には重荷。
そんな訳で、これまでは知人に声をかけていただいたチャンスのみに参じていました。

と、書くと今回は計算して撮りに行ったように聞こえますが、今回も他力本願の撮影です。
一昨日、富士山の撮影で懇意にさせていただいているご夫婦から「お前に縁のある地で撮りたいのでどうか」と言うお声かけをいただきました。
仕事の関係で向えるかどうかは不透明でしたが、ひとまず段取りだけはしておきます。

今回は特に、太陽が沈むと同時に月が昇るため、富士山頂が黒くつぶれることなく、月とともに撮影できるとのこと。
そして、富士山頂には雪があるため、それが染まることも期待できます。
しかも、この日の月齢は13.1、満月ではありませんが、充分に円く見える月齢です。
こうした機会は、一年を通してもそう何度もあることではありません。

そして当日、なんとか時間前に合流させていただくことができました。

今回用意した機材は、Canon EOS M2にマウントアダプタを介しSIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMをセット。
このなんともアンバランスな機材を三脚にセットします。

もう一台は、ズームに強いコンパクト(充分大きいですが)デジカメ、FUJIFILM FinePix S1を、トラベル用の三脚(Velbon ULTREK 45L)にセットしました。

話をしながら待つことしばし。
いよいよ、月の出の時刻です。

今回のポイントは、富士山頂の向かって左端、白山岳と雷岩付近から出る場所とのこと。
剣ヶ峰を狙ってみたい気もありましたが、月は向かって左から右へと昇っていくため、富士山頂とのコラボを長く楽しみたいならこちらのポジションです。

ズームレンズを望遠端(換算800mm相当)にセットし、シャッターに手をかけました。
ほどなく顔を覗かせた月は、まさに計算通りの位置から昇りはじめます。
これはさすがです。
なお、以下の写真は特に注釈がない場合ノートリミングです。

富士山頂(白山岳と雷岩)からのパール富士

月が昇るにつれ、富士山の雪を染めていた色はあせていきます。
これはやや残念でしたが、贅沢は言えません。

富士山の色はあせて

月がほぼ出切った頃に気付きましたが、山頂のすぐ上には薄雲がかかっています。
円くなった月は、その中に飲み込まれ、輝きは少し鈍くなっていきます。
ここはひたすらカメラを信じ、適宜露出補正をしながらのオートで撮影していきます。

月は薄雲の向こうに

月が昇り切り、山頂から離れていきます。
しかし、私たちの場所から、富士山頂の中央付近に月が来るのはもう少し先。
そう思いながら待ち構えていると、なんと富士山の雪に色が戻り、濃いピンクに染まってきました。
これには、一同思わず声を上げます。

富士山に色が戻る

誰からともなく「これは引いて撮らなきゃ」との声。
私もズームレンズを操作し、三脚のレバーを握りしめ構図を調整します。
幸いにして、パール富士程度の明るさであれば、カメラのAFも問題なく作動。
不慣れな私でも、咄嗟の構図変更は可能でした。

そして、いよいよ撮影も終わりかと思った頃。
富士山頂の色は再び抜け、今度は薄雲がほんのりと染まりはじめました。
月光に照らされぼんやりと光る月の周囲の薄雲も、色づきます。

薄雲が染まる

この色が抜けて、この日の撮影は終了。
まさに、一粒で何度も美味しい、幸運なひと時でした。
このような機会をいただいた知人と、自然に感謝をしながら、機材を片付けます。
今回は薄雲に功罪合った撮影でしたが、また違った機会にも撮影してみたくなりました。

なお、ここまでの写真は、すべてEOS M2+SIGMA50-500mmで撮影したもの。
下の写真は、サブカメラのFinePix S1で撮影したものです(それぞれトリミングしています)。
2015年3月現在、3~3.5万円程で入手できるカメラですが、ズームを活かした風景写真ではなかなか侮れないですね。

FinePix S1で撮ったパール富士

FinePix S1で撮ったパール富士

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コメント

こんにちは~。モモパパです。
ダイヤモンド富士は聞き及んでましたがパール富士とは初めて知りました。
富士山もいろんな表情を見せるんですね。
自然の神秘と言ってもいいのかな。

投稿: モモのパパ | 2015/03/05 08:58

モモのパパさん、こんにちは。
パール富士は、周期がわかりにくく、撮影場所の特定が難しいです。
また、ワンチャンスの露出もシビアで、なかなか撮れませんでした。
今回、場所は知人の情報で特定できたので臨みました。
自然の神秘、仰るとおりですね。

投稿: あさぎり | 2015/03/05 09:28

キートンです。
 5日の夜は曇り、6日の夜は大雪、7日の夜も曇り、大外れでした。

投稿: キートン | 2015/03/09 22:35

キートンさん、おはようございます。
今回は残念でした。
6日、山梨県側は結構な雪となったようですね。
私も8日に富士山周辺行きましたが、スッキリ見えたのは富士ヶ嶺のみ。
後は、東西とも雲の中の富士山見えずでした。
次の機会に、よい条件であることを願います。

投稿: あさぎり | 2015/03/10 06:36

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