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Canon EF50mm F1.4 USM

今回ご紹介するのは、Canon(キヤノン)のデジタル一眼レフカメラ用レンズです。

デジタル一眼レフ用と言っても専用品ではなく、EFマウントを持つフィルムカメラ(EOS)でも使用できるもの。
実際、このレンズが発売された1993年6月にはフィルムカメラが主流で、同社初のデジタル一眼レフカメラ、EOS DCSシリーズが発売されたのは二年後(1995年)のことでした。
つまり、このレンズは当時のフィルムカメラを基準につくられたものです。

それから既に20年以上の時が経っている中、技術は進歩しています。
このレンズのAF駆動モーターはUSM(超音波モーター)ですが、近年この価格帯のレンズで主流の「リングUSM」ではなく「マイクロUSM」となっています。
また、レンズコーティングも最新のデジタル対応のものとは異なっています。

それでも、常に新型が発売されるとの噂が絶えない中今日(2014年1月)まで現役であり続けたのは、ひとえにそのシンプルな構造と光学性能の賜物なのでしょう。

このレンズの焦点距離は50mm。
フィルムカメラ時代から標準レンズとして幅広く使われていた焦点距離です。
近年主流のズームレンズではなく、あえて単焦点。
しかも基本となる50mmのレンズを選ぶことで、写真の基本を学ぶこともできます。
もちろん、ズームレンズと比較して明るいその開放絞り(F)値は、表現の幅を広げることにもつながります。

そんな50mmレンズは、キヤノンから3本がリリースされています。
今回のF1.4の他に、F1.8、F1.2Lのラインナップです。

EF50mm F1.8Ⅱは、単焦点をはじめて使うユーザーにもピッタリ。
実売価格で10,000円を切る価格と、ズームレンズと比べて明るい開放F値、そして何よりも小型で軽量です。
AFモーターはUSMでないため、動作音は多少大きいですが、精度に問題はありません。
実際、私も一時期は使っていたレンズです(現在は知人に貸しています)。

そして、EF50mm F1.2L USMは、キヤノンの現行レンズの中で最も明るい(過去には50mm F1.0L USMも存在しました)開放F値を持つレンズです。
高級レンズの証であるLレンズとなっており、実売価格も15万円程(2014年1月現在)と、F1.8と比較すると別世界です。
もちろん、その分写りや質感などは高いレベルとなっていますが、重さもF1.8の4倍以上となります。

これらのちょうど中間に位置するのが、EF50mm F1.4 USMとなります。
価格も4万円台半ばと、F1.8の約4倍ながら、F1.2Lよりは相当にリーズナブルです。
重さも290gと、F1.8の2本分強ですが、つくりの差を考えれば充分に軽量と言えます。

今回、中古でレンズ本体、キャップ(フロント、リア)、フードのみの購入となったため、開封の儀はなしです。
早速、本体(EOS 5D MarkⅢ)につけてみます。
普段重量級のLズームレンズを主体として使っていることもあり、とてもコンパクトで軽量なシステムに感じます。

EOS 5D MarkⅢ+EF50mm F1.4 USM

レンズ自体の操作は極めてシンプルです。
単焦点なので、リングはフォーカスリングが1本あるだけ。
スイッチ類も、AF/MF切り替えスイッチのみです。

EF50mm F1.4 USM

今回、使用当初にこのAF/M切り替えスイッチが作動せず(検知せず)、カメラ側のフォーカスが切り替わりませんでした。
しかし、何度か操作をしているうちに切り替わるようになったので、しばらくは様子を見てみたいと思います(販売店の半年間保障あり)。

早速、撮影に持ち出してみます。
まずは、適度に絞って風景を切り取ります。

f3.5で撮影

f8.0で撮影

この領域で撮っていると、正直手持ちのEF24-70mm F2.8L USMあたりとパッと見の判断はつきません。
もちろん、双方ともよいレンズですし、価格を考えるとさすが単焦点と言うべきなのかもしれません。
また、あくまでも私の目で見てということなので、その点はご了承ください。

次に少々絞りを開けて撮っていきます。
絞りを開けると被写界深度が浅くなるため、被写体にあまり近寄るとピントの山が思ったところにこないことも多々あります。
50mmと言う焦点距離はその感覚を磨きやすく、そんな意味でも基本の単焦点と言われるのでしょう。
このレンズの最短撮影距離は撮像面から45cmですが、少々距離を取って撮影します。

f2.2で撮影

しばらく練習をして、いよいよ開放f1.4での撮影にチャレンジです。
さすがに、被写界深度は浅く、ピントの範囲はごく薄です。
手持ちで撮影したため、何度も失敗をしました。

次の写真は上がf1.4(開放)、下がf2.8まで絞って撮ったものです。
正直、このサイズだとよくわからないかもしれませんが、クリックして画像を拡大すれば、その雰囲気の違いをご理解いただけるかと思います。

f1.4で撮影

f2.8で撮影

今回使用しているカメラはフルサイズセンサーのカメラ。
画角はレンズの焦点距離なりに撮れますが、レンズ周辺部まで使うため、周辺光量落ちはかなり目立ちます。
しかし、f2.8まで絞ると、その影響はほぼ感じられません。

いずれにせよ、同じところを同じように(手持ちなので多少ずれていますが)撮っただけでこれだけ雰囲気の異なる写真が撮れるわけです。
これも、明るい単焦点レンズの魅力ですね。
ちなみに、ピントは画面中央の盛りあがった氷に合わせたつもりです。

さらに、絞り値の変化で異なる画づくりを楽しみます。
下の写真は、公園で出会ったおとなしい猫。
絞り値は、上からf1.4(開放)、f1.8、f2.8です。

f1.4(開放)で撮影

f1.8で撮影

f2.8で撮影

いかがでしょうか。
こちらも手持ちでの撮影なので、完全に同じ条件での撮影とはなっていません。
もちろん、猫も本物(生きもの)なので、ちょっと動いてしまいます。
それでも、レンズの持ち味を少しでもご理解いただければと思います。

単焦点レンズは、迷いが少なくなります。
ズームレンズと異なり、画角を変えようと思えば、自分が動くしかありません。
もちろん、昨今の高画素デジタルカメラであれば、広く撮ってトリミングと言う手法を取ることも可能ですが・・・。

それらも踏まえた上で、今回の写真は全てノートリミングです。
ズームで画角を調節せずとも、幅広い絞り値を活用して写真に変化を与える。
単焦点レンズにハマる人の気持が少しだけ分かったような気がします。

くどいようですが、現時点(2014年1月)では、このレンズは設計の旧いレンズです。
コーティングもデジタルをメインターゲットとしていないため、逆光には少々弱い感じです。
しかし、単焦点レンズでレンズ構成もシンプルなので、それほど神経質になるほどではありません。
下の写真は、フレーム外(左すぐ上)に夕陽があるシチュエーションで撮りました。
コントラスト低下は見られますが、それも味と思えば必ずしもマイナスではないでしょう。

逆光下での撮影

以上、周辺部までしっかりと解像する昨今の所謂「カリカリ」表現のレンズとは異なる本レンズ。
もちろん、何段か絞れば、周辺も含め解像不足と言うことはありません。
そこは、さすがに単焦点レンズです。
フワッと柔らかく、カッチリと繊細に、絞り値の違いによる表現の幅を楽しむ。
そんな写真の基本を押さえておきたい方にはお勧めの1本です。

f4.0で撮影

今後とも愛用し、作例等追加していきたいと思います。

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