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OLYMPUS PEN mini E-PM2

今回ご紹介するのは、デジタルカメラの中でも、ミラーレス一眼と呼ばれるジャンルのカメラです。

デジタルカメラは、大きく分けてデジタル一眼レフ(ミラーと光学式ファインダを備えたもの)、コンパクトデジカメ(レンズ固定式のもの)、そしてミラーレス一眼に分けられます。
ミラーレス一眼とは、デジタル一眼レフカメラのミラーと光学式ファインダを取り払い、レンズ交換が可能でありながら比較的コンパクトに設計されたカメラです。

現在、Canon(キヤノン)、Nikon(ニコン)、OLYMPUS(オリンパス)、Panasonic(パナソニック)、SONY(ソニー)、FUJIFILM(富士フイルム)など、主要カメラメーカーのほとんどがこのミラーレス一眼カメラを発売しています。
しかし、その姿勢には温度差があり、現時点(2013年7月)で特にミラーレス一眼に熱心なのはオリンパス、パナソニック、ソニーの三社と言えるでしょう。

なお、撮像センサーのサイズ(規格)としては、キヤノン、ソニー、富士フイルムがAPS-C、オリンパス、パナソニックがマイクロフォーサーズ、ニコンは1インチとなっており、オリンパスとパナソニック以外はレンズマウントの互換性もありません。

私はこれまで、ミラーレス一眼としては、ソニーのNEX-5、NEX-5Nを使用してきました。
NEXシリーズは、APS-Cサイズのセンサーを搭載した機種としては、それまでの常識よりはるかに小型で、旅行等で手軽に持ち歩き、画質にもこだわるという両立が可能でした。

しかし、当時の交換レンズのラインナップに関してはオリンパス、パナソニックといったマイクロフォーサーズ規格のものに比べ見劣りすることも事実でした。
昨今ではサードパーティ製も含めラインナップが充実してきてはいますが、それでもマイクロフォーサーズの方が選択肢が広い状態は続いています。
また、マイクロフォーサーズは撮像センサーのサイズがAPS-Cの約60%となっており、レンズまで含めたサイズとしてはより小型に設計できるメリットもあります。

私自身、日常持ち歩くカメラとして、マイクロフォーサーズ規格のものに興味は持っていました。
実際、かなり前になりますが、パナソニックのDMC-GF1レンズキットを購入したこともありました(評判のよい20mm F1.7レンズが目当て)。
が、NEXをメインで使っていたこと、単焦点レンズのみでは敷居が高く感じた(当時)ことなどから、結局使用することなく手放しました。

そんな訳で、今回、実質的にはじめてのマイクロフォーサーズ規格カメラとなったのが、オリンパスPENシリーズの最廉価バージョンである、E-PM2だったのです。

この購入の動機は、上記の通り、日常持ち歩く中で、画質にもこだわるというバランスです。
メインのカメラとしては、デジタル一眼レフ二台(Canon EOS 5D MarkⅡEOS 7D)を使用し、それぞれに交換レンズも所持しています。
しかし、画質へのこだわりは機材の大きさ、重さを増長し、実際EOS 7DにSIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMをつけるとその重量は3kgを超えます。

もうひとつの動機としては、2013年6月下旬時点での価格、これも大いに魅力的でした。
E-PM2はコンパクトな最廉価機種でありながら、搭載している撮像センサーは同社OM-D E-M5と同じもの(有効画素数1,605万の4/3型 Live MOSセンサー)となっています。
また、操作体系や手ぶれ補正、液晶モニタ、防塵・防滴仕様などに差異はあるものの、基本性能に大きな差もないのが魅力的です。
それでいて、価格はレンズキット(M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R付)で35,000円弱と、コンパクトデジカメ並です。

手持ちのコンパクトデジカメを下取りに出し、ほとんど出費なくE-PM2を手に入れました。

パッケージは、最近のデジタルカメラとしては、大ぶりの箱です。
デザインにも凝っていて、ワクワク感はあります。
しかし、あくまでも軽量で、この辺りはちょっと拍子抜けするほどです。

E-PM2商品パッケージ

箱からカメラ本体とキットレンズを取り出し、組み付けます。
レンズキットではありながら、ボディとレンズは別々に梱包されており、ボディ側、レンズ側それぞれにキャップもついているのは好感が持てます。
今回、気軽に持ち歩くために、あえてストラップは片吊のものとしました(エツミ製)。

E-PM2レンズキット

なお、写真の状態で、キットレンズ(M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R)は格納状態です。
撮影するためには、ズームリングを回し、境筒前部を繰り出す必要があります。
電源ボタンと連動していないため、この操作は撮影開始までにワンステップ必要となり、戸惑いました。
また、撮影後はそのままにしておいてもよいのですが、かなりの量繰り出されるため、コンパクトにするためにはロックレバーを操作して格納(繰り出し時にはレバー操作は必要ない)する必要があります。
これは、このレンズのネックですね。

レンズ格納時のロックボタン

カメラ上部、背面は極めてシンプルです。
上部には電源スイッチ、シャッターボタンの他LIVE GUIDE(Fn)ボタン、マイク等があるのみ。
フラッシュも内蔵していません。
なお、このLIVE GUIDE(Fn)ボタンには各種機能が割り当てられます。
私は、よく使うAEロックを割り当てました。
撮影モードダイヤルはありませんが、背面液晶がタッチパネルとなっており、モード選択に煩雑さはありません。

E-PM2本体

背面には、スッキリとまとまった形で各種ボタンやコントロールダイヤルが配置されています。
一見、密度は薄いのですが、動画ボタンや再生ボタン、消去ボタンなど、必要なものはワンアクションで呼び出せるようになっています。
操作は、こうした各種ボタンやダイヤルとタッチパネルを併用することができます。
タッチパネルはOFFでの操作もできますが、私はONにしています(NEX-5NではOFFにしている)。
なお、上の写真では、購入時に貼ってあった液晶保護カバーを剥がしていません。

上述の通り、フラッシュは内蔵していませんが、ホットシューに外付けするタイプのコンパクトなものが付属しています。
私はほとんど使わないので、ホットシューとアクセサリポートは使用していません(将来的にEVFをつけるかどうか検討中)。

付属フラッシュ FL-LM1

とてもコンパクトなE-PM2ですが、バッテリーは本体サイズに比して大きめです。
これは、上位機種のE-PL5E-PL6とも共通のもの(OM-D E-M5、E-P5とは異なる)です。

バッテリーと充電器

残念だったのは、充電器。
海外仕様と共通にするためでしょうか、充電器と電源ケーブルが別で、デザインも洗練されていません。
製品の本質とはかかわりないとも言えますが、ここはもう少し工夫をしてほしいところでもあります。
ともあれ、バッテリー容量も私の使用環境では特に問題なく、一日の撮影であれば予備バッテリーは必要なさそうでした。

早速、撮影に持ち出します。

最初に撮影したのは、沼津市の南、静浦付近からの海と淡島です。
この日の天気は時折大粒の雨が落ちる暗い日。
本州にかかる梅雨前線に南から風が吹き込み、海面は白波が立つ荒れ模様でした。
そんな雰囲気を、実によく写しだしてくれます。

静浦からの海

次の写真は、一変して梅雨の晴れ間。
東名高速の富士川S.A.(上り)から見た富士山と道の駅富士川楽座です。
撮影モードは絞り優先AE(A)、f8、ISO200、1/800秒となっています。

富士川楽座と富士山

ひとまず、ピクチャーモードはNaturalで撮影していますが、色乗りも悪くありません。
なお、OM-D E-M5、E-PL5、E-PM2まではベースISO感度が200となっています。
E-P5、E-PL6からはISO LOW(100相当)が備えられました。

AFはデジタル一眼レフと比較すると速いとは言えませんが、必要十分です。
コントラストAFで、像面位相差センサーを搭載していないことを考えれば、かなり速い部類に入るでしょう。
飛んでいる鳥や動きの読めない動物などには厳しいかもしれませんが、ちょっとでも動きを停めてくれれば、しっかりとピントを合わせて撮ることができます。

トンボ

蝶

センサーサイズはAPS-Cの約60%とは言え、さすがにコンパクトデジカメの主流である1/2.3型や1/1.7型、1インチサイズよりは大型のものです。
輝度差のあるシーンでも、それらよりは階調が豊かで、飛びも最小限に抑えられる印象でした。
下の写真はJPEGで撮っていますが、RAWで撮影して現像すれば、さらに追い込めるのかもしれません。
あくまでも、とっさにカメラを向け、気軽に撮ってこの程度には撮れるということです。

輝度差のあるシーン

ただし、暗部や光線が足りないシーンなどには若干ノイズが乗りやすく、拡大して見るとその傾向は顕著でした。
この辺りは、以前使用した同社製コンパクトデジカメ、XZ-1などにも共通した印象もあり、オリンパスの画像処理の特徴なのかもしれません。
好みもありますが、ISO感度が高くなった際の画に関しては、NEX-5Nの方が好印象でした(ISO1600以上)。
ディテールの再現性なども含め(特に光線が足りない場面では)、解像感にこだわるより、場の雰囲気を写しとる性質の画づくりとの印象を持ちました。

次に光線が入り込むシーンでの撮影です。
キットレンズで、木漏れ日を撮ります。
さすがに直接太陽光を入れ込むと厳しいものがありますが、価格やズームレンズであることを考えれば標準的かと思われます。

木漏れ日

最後に、恒例の食べ物撮影です。
ここは、日常持ち歩くカメラとしては重要なポイント。
結論から言って、かなり好印象でした。

カルボナーラ

ナスの炒め

いずれもホワイトバランスはオートで撮影しています。
にもかかわらず、色が破たんすることなく、見た目に近い印象で写っているのには感心しました。
用途的に、この辺りは開発陣も織り込んでいることと思われます。
全体的に若干暗めに映る傾向があるので、露出は補正ゼロ、もしくは+0.3ステップにした方がよいかもしれません。
ただし、ナスの写真は、-0.3ステップの補正(紫をしっかり出すため)で撮影しています。

以上、一通りの撮影をしてみて思ったのは、まず圧倒的に軽いことです。
本体は重さ269g(CIPA準拠)、レンズを合わせても382gと、400gを切っています。
ワンハンドストラップでぶら下げて歩いても、ダルさを感じないのはさすがでした。

反面、撮影時に必要なレンズ繰り出しの操作は厄介です。
どうしても速写性が損なわれる上に、ロックレバーを解除しての格納も面倒でした。
ここは、パナソニック製のレンズの方がよいのかもしれません。

また、操作性に関しては、細かな設定ができるのは好印象です。
ISOオートの上限はもとより、各種ボタンの機能設定、消去時の実行/中止のデフォルト設定など、細かくカスタマイズできます。
逆に言うと、それらの初期設定は「なぜこうしている?」と首をかしげたくなる状況でした。
しかしこれは、ターゲットとなるユーザによっても異なるので、ここは自由度が高いことを評価したいと思います。

2013年7月現在、安価に入手できるミラーレス一眼カメラの代表格となっているPEN E-PM2。
気軽に持ち歩き、画質にある程度こだわるのであれば有力な選択肢だと思います。

以下、あくまでも私の主観での印象です。
気付いた点があれば、追記していきます。

【気に入った点】
・レンズ交換式のカメラとしてはコンパクトでバランスがよい。
・キットレンズとの組み合わせでは、軽くて負担にならない。
・AFは思ったより高速、運動会くらいならいけるかも。
・コストパフォーマンスがよい。
・設定の自由度が高く、タッチパネルもあわせ使い勝手はとてもよい。

【今ひとつと感じた点】
・撮影状態ではキットレンズの繰り出し量が大きい。
・電源とレンズ繰り出しが連動せず、速写性が今ひとつ。
・暗部、高感度ノイズが思ったより多い(室内の人物撮影では注意)。
・交換レンズ(特に明るいズーム)が思いのほか高価。

上にも書きましたが、画づくりの方向性としては、解像感やディテールの再現性よりも、場の雰囲気や空気感を写しとる傾向があります。
それを理解して使うかどうかで、評価も変わってくると思われます。


【2013年11月25日 追記】

このカメラ、私の購入した個体は背面のダイヤルがすぐに不調となりました。
反応が過敏と言うのでしょうか、撮影後に画像を再生、拡大して確認し、次の画像へと言う操作を行っていると、意図しない拡大・縮小を繰り返してしまうケースが多発しました。

私は撮影画像を拡大してピントを確認したりすることが多いため、これはとてもストレスになります。
この症状は次第に酷くなり、ついには単に再生画像を送っているだけで拡大・縮小を繰り返すようになってしまいました。
また、最盛時だけでなく、設定変更や画像削除の確認時にも、触っていないダイヤル操作が繰り返されるようになってきました。

そこで、購入したカメラのキタムラ経由でオリンパス(日研テクノ)へと修理に出しました。
しばらくして、ダイヤルを交換したとの記録とともに戻ってきたカメラ。
当初は順調でしたが、またすぐにその事象が発生します。

再び、今度は前回の修理票を添付して再修理。
戻ってきたカメラは、背面ダイヤルの操作感が明らかに変わり、二週間ほどの使用では現象が再現していません。

ネットを調べるとE-PM2では同様のトラブルが発生しているケースもあるようなので、追記しておきます。

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コメント

こんにちは
サブ機にPM2を検討しており、実際に所持している方のレビュー記事を見回っています
色々と参考になる情報有難うございます。
最後のダイヤルの件ちょっと気になりますが^^;;
安くていいタマが見つかったら手に入れようと思いました!
有難うございます

投稿: kenzo | 2015/08/23 22:17

kenzoさん、ありがとうございます。
PM2はコンパクトさ、手軽さに魅力を感じ使用しました。
この後、パナの12-35f2.8と組み合わせたので、かなりレンズヘビーにはなりましたが。
背面ダイヤルの件、再修理後は特に問題を感じずに済みました。
個体差もあるようですね。

投稿: あさぎり | 2015/08/24 22:12

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