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FUJIFILM X10

今回ご紹介するデジタルカメラは、ひょんなことから手に入れた一品(逸品)です。
そのカメラは、FUJIFILM(富士フイルム)のハイエンドコンパクトデジタルカメラ、X10
これは、同社の威信をかけたと言っても過言ではない高級機として発売されたX100にはじまる、Xシリーズの第二弾として発売されたものです。
ちなみに、X10からは同社のブランドである“FinePix”の名が外れ、“X Series”のみが冠されています。

思い起こせば、私がはじめて購入したデジタルカメラは、同社のDS-30というデジカメでした。
これは1997年頃の発売で、撮像素子は1/4型35万画素CCD、32-96mm相当のズームレンズを搭載した意欲作で、8MBのスマートメディアとセットで8万円ちょっと支払った記憶があります。

そして、次に購入したのが、CanonのPowerShot G2でした。
改めて見ると、これが発売されたのは2001年ですから10年ちょっと前、当時の希望小売価格が115,000円ですから、この間の技術革新とコストダウンに敬意を表したくなります。

さて、前置きが長くなりましたが、そんな訳で今回のX10は、私のデジタルカメラ歴(大げさ)の原点に戻ったかのような機種なのです。
はじめて購入したFUJIFILM社製、そして、位置づけとしてはPowerShot Gシリーズも含まれるハイエンドコンパクトデジタルカメラだからです。

一口にハイエンドコンパクトデジタルカメラと言っても、そのサイズや目的別にいくつかの分類に分けられます。
その中でもX10は、肩から掛け(もしくはバッグに入れ)、設定ダイヤルやスイッチ操作主体でじっくり操作し、写真を撮る行為自体を楽しむといった位置づけのカメラでしょうか。
そうした意味では、CanonのPowerShot GシリーズやNikonのCOOLPIX Pシリーズなどと肩を並べる存在と言えるでしょう。

実は私、このスタイルのカメラから長らく遠のいていました。
デジタル一眼レフカメラを手にし、レンズもそこそこ揃えたことから、じっくり撮影するならそちらを使います。
また、自転車(サイクリング)等での撮影なら、ポケットに入る(サイクルジャージの後ろポケットに入る)サイズのカメラが重宝します。
そして、家族旅行など、機動性を重視する際には、ミラーレス一眼のNEX-5、5Nを使ってきたからです。
したがって、そこそこ高価で、ポケットに入れるには厳しく(X10は思ったよりも小さく、ギリギリ入りそうですが)、かつ撮像素子サイズがミラーレスやデジタル一眼レフより小さくなるこうしたモデルは、必須とは言えなかった訳です。

では、このジャンルのカメラに興味がなかったのでしょうか?
いえ、決してそんなことはなく、実際にPowerShot GシリーズやCOOLPIX Pシリーズ、そしてX10も何度となく店頭で弄ってはみました。

このクラスのカメラの最大の魅力は、そのサイズに見合った光学設計の自由度、余裕の高さです。
コンパクトなボディに大きな撮像素子、そして倍率の高いズームレンズを搭載すると、どうしても光学設計上無理が出てくるケースがあります。
昨今では、カメラ内での画像処理エンジンの処理能力が向上し、そうした無理をデジタル的に補正することで、よい画を生み出してくれるものも多いことも事実です。
しかし、銀塩(フィルム)時代から写真を撮ってきた身としては、やはりカメラやレンズそのものの「素の実力」には魅力を感じます。

実際、X10のレンズは35mm判換算で28-112mm(4倍相当)と、昨今のカメラとしては控え目な焦点距離倍率ですが、その開放F値はF2.0-F2.8と、ズーム全域で明るく設計されています。
撮像素子は2/3型1,200万画素で、サイズ的にはミラーレス一眼やデジタル一眼レフより小さいですが、画素数を抑えた上に、前述の光学系との組み合わせで表現力には十分期待できます。

そんなことから興味は持っていたものの、やはり比較的高価なことと、私の手持ちカメラの中での用途を考えると、二の足を踏んでいたのでした。
そんな時、知人からネットを通じて「X10を譲りたい」との発信がありました。
価格も、充分にリーズナブル(安すぎるくらい)で、信頼できる方からのものでしたので、一も二もなく飛びついたのでした。

早速、家に帰ってパッケージを開けます。
几帳面な知人は、元箱もしっかりと保管してくれています。
箱を開けるワクワク感も味わえます。
X10パッケージ

中から本体はじめ、一式を取り出します。
まずは、本体を眺め、撮影。
金属主体のボディは思ったより小ぶりですが、適度な重さが心地よく感じます。
合成皮革が使用されたグリップ部をはじめボディ前面は、これまで使用したどのカメラとも異なり、かえって新鮮です。
X10ボディ

ここで思わず、にやりとしてしまうのが、このカメラの最初の楽しみなのでしょう。(^^)
なお、AFの切り替えスイッチは、このボディ前面についています。

次に、ボディ上面と背面です。
上面には、通常のモード切り替えダイヤルの他に、露出補正ダイヤル、ファンクション(Fn)ボタンがあります。
このファンクションボタンには機能割り当てが可能ですが、ひとまず私はISO感度を割り当てています(デフォルト設定)。
ボディ上面と背面

また、上面にはポップアップフラッシュのほか、アクセサリーシューが備えられており、この辺りもサイズ優先のコンパクト機とは一線を画す部分です。

背面左上には、ガラスプリズム採用のズーム連動する光学ファインダー(視度補正付)も備えられていますが、これは視野率も狭く(約85%)、光線で背面モニタが見えない時などの緊急用と割り切った方がよさそうです。
私はEVFがあまり好きではないので、ファインダーはこの仕様で充分だと思っていますが・・・。

背面には他にもボタンが多く設置されており、特にAEL(AFL)ボタンは私にとって重宝するものです。
光源が偏っている時や輝度差が大きい時など、素早く撮影するには露出補正よりもAEロックの方が対応しやすいケースもあります。
したがって、AEロックボタンは独立してくれていた方がありがたいのです。

さらに特筆すべきは、RAWボタンでしょうか。
ふだんはJPEGでの撮影がほとんどの私ですが、こうしたボタンがあれば、ここぞという場面で気軽にRAW撮影ができることになります。

そして、今日日のカメラにしては珍しく、動画撮影スタートボタンは備えられていません。
これは、ほとんど動画を撮らない私にとっては、好印象です。
間違えて押してしまうことがないからです。

マニュアルズームリングを動かし、電源を入れてみます。
ズームリングをOFFの位置から、広角端まで動かすと、電源が入ります。
電源を入れる

この操作方法に関しては、レビューなどでも賛否両論のようです。
確かに、OFFから広角端(28mm相当)までの回転量が少々大きく、操作も重いため、とっさの撮影には難があるかもしれません。
また、片手で電源をONにすることはほぼ不可能なので、そうした意味でも、シャッターチャンスには弱くなりがちです。
まあ、このカメラはあくまでもじっくり撮ることを志向していると感じるので、私は納得しています。

背面液晶モニタは、2.8型で約46万ドットと、こちらは昨今のカメラとしては控え目です。
しかし、特に不足があるわけではなく、かえって妙にきれいに見えるよりは好感が持てます。
ただし、ブレに関してはちょっと判別しにくい部分があるのも事実で、マニュアルフォーカスのピント合わせなどに関しても、最近主流の3.0型、90万~100万ドットの方が有利でしょう。
背面液晶モニタ

ファインダーのつくりとあわせて考えると、ここは次機種(あるなら)での改善を望みたいところです。
なお、電子水準器は備えられています。

今回譲っていただいた中には、純正のレンズフードと、プロテクトフィルタも含まれていました。
X10にはオートキャップが備えられていないため、私もこのレンズフードにプロテクトフィルタをセットし、キャップはしない方向で撮影しています。
レンズフード装着

レンズフードにフィルタを装着しにくいのには難儀しましたが、一度装着してしまえばそうそう交換しない(私は)ので、何とかなります。
頻繁にフィルタ交換をする方は、何らかの工夫が必要かもしれません。
また、フィルタを装着しても、レンズフード背面の坑から空気などの出入りがあるため、理解しておくことが必要です。

早速、バッテリーを充電・・・と思いきや、フル充電してくださっていたようです。
こんな細かい気配りにも、感謝です。
バッテリーそのものは、これまで使用しているFinePix F200EXRF550EXRと同じNP-50。
充電器も共通です。
バッテリーサイズから容量的な不安はありますが、予備バッテリーもセットしてくださったため、問題なしでした。
ちなみに、一日程度の撮影であれば、不安なくできるようです。
バッテリーと充電器

さて、ワクワクしながら、撮影をはじめます。
やはり、この「撮る楽しさ」というのも、この手のハイエンドコンパクトデジタルカメラの醍醐味のひとつです。
ここは感覚的なものですが、銀塩から写真撮影をはじめられた世代には、共通するものではないでしょうか。
舞台は、2012年11月4日の富士宮まつりです。

撮影の際のセッティングは、Pモード、ISO AUTO 800、、WB AUTO、ダイナミックレンジ AUTO、フィルムシミュレーション Velvia/ビビッドです。
画像は全てJPEG、L 3:2 FINEで撮影し、リサイズのみしています。

X10にて撮影

撮影してみて、最初に感じたのは、意外と露出にシビアだと言うことです。
特に、ハイライトの飛びは、ちょっと神経質になる必要があります。
ただし、今回はこのカメラの特徴の一つでもあるEXRモードを使用していません。

X10に使用されているEXR CMOSセンサーは、カラーフィルタの配列が通常のものと異なり45度傾けて並べられています。
このため、隣接する画素に役割分担をさせることにより、一度のシャッターで撮影した二枚の画像を合成し、ワイドダイナミックレンジの画をつくりだすことができるのです。
ただし、このEXRモードで、ダイナミックレンジ優先を選択すると、画素数は半分の約600万画素となります。
このため、今回はあえて使用せずに撮影をしています。
この辺りのセッティングはF200EXR(こちらはスーパーCCDハニカム EXR搭載)同様、これから追い込んでいく必要がありますね。

X10にて撮影

とは言え、露出をハイライト側に合わせると、比較的思い通りの描写ができます。
通常のモードで撮る限り、シャドウ部を画像処理ソフトで持ち上げてもノイズは少なく、耐性が高いため、どちらかと言うとハイライト側を重視して撮る方がよいかもしれません。
ちなみに、上の写真のシャドウを持ち上げたものが、下の写真になります。
シャドウを持ち上げ

カラーに関しては、さすがにVelvia/ビビッドを選択しているだけあって、鮮やかに出ます。
好みが分かれるかもしれませんが、フィルム時代にVelviaをこのんで使っていた私には、好印象です。
X10にて撮影

X10にて撮影

ホワイトバランスは自然な感じで、ミックス光にも強く感じます。
よほど色温度がシビアな場合を除いては、WB AUTOで行ける感じがあります。
X10にて撮影

X10にて撮影

ちなみに、こうした写真を私が使用する、Adobe Photoshop Elementsにて加工する際「自動コントラスト」をかけてもほとんど画像に変化はありません。
さすがの画づくりと言うべきか、JPEG撮って出し(無加工)での印象は、デジタル一眼レフをも上回る場面がありそうです。

最後に、競り合いの様子です。
さすがに、これだけ光源が複雑に入り込む場面では、露出がよりシビアになります。
また、暗さもあってか、AFの合焦に時間がかかり、デジタル一眼レフのような素早い撮影は困難です。
それでも、時折AEロックをしながらの撮影で、かなり見られる写真が撮れました。
これなら、機動力を活かしてこれ一台で・・・と十分に思える性能です。
X10にて撮影

X10にて撮影

上の二枚も、もちろんJPEG撮って出しです。
ISO上限を800に設定して撮っていることを考えても、さすがの性能と言ってよいと思います。

ちょっとお祭り以外の写真も・・・と言うことで、掲載していきます。

下の写真は、東名高速由比P.A.から撮った夜明けの光景。
オレンジ色に染まった太陽をフレーミングしていますが、目立ったフレア、ゴーストもなく、逆光にはそこそこ強いようです。
レンズに力が入っているので期待はしていましたが、その期待には応えてくれそうです。
駿河湾の夜明け

さらに下の写真は、同じく東名高速富士川S.A.にて、車のガラスに映る朝焼けを撮ったものです。
暗部に多少ノイズが乗りやすい傾向にはありますが、これは撮像素子サイズを考えると健闘していると言えるでしょう。
相変わらずJPEG撮って出しのコントラスト、レベル等は秀逸で、これもリサイズのみです。
車に映る朝焼け

以上、まだ使いはじめたばかりですが、このカメラ「撮る楽しみ」という、非常にアナログな魅力が満載されていると思います。
もちろん、上位機種のX100のような割り切りや、とんがった性能はないと思います。
また、ポケットに入る機動性もありませんし、レンズ交換ができるわけでもありません。

でも、触った感じ、持った感じ、肩から提げている感じ、構えた感じ、シャッターを切った感じ等々、それらがなんとなく愛おしいのです。
日常使いのカメラとしても、28-112mmの明るいズームレンズはじめ基本性能は高く、前述の通り、JPEG撮って出しの品質も満足がいくものです。
したがって、ちょっと写真好きだけど、パソコンを使って加工までは・・・という方にはお勧めです。

私もまたこのカメラだけを手に「これで撮れないものは撮らないよ」という撮影に出たくなりました。
さらに使いこんで、自分好みの一台にしていきたいと思います。

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