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Canon EOS Kiss X5

久しぶりのデジタル一眼レフ、EOS Kiss X5を購入しました。
キヤノンのエントリーデジタル一眼レフカメラであるEOS Kissシリーズのひとつですが、この機種を購入するまでには紆余曲折がありました。

もともと、私はEOS DIGITALを二機種(EOS 5D、EOS 1D MarkⅢ)使っていました。
これらはもちろん現役で活躍していますが、何しろ重いのです。(^^;)
気合いを入れて風景を撮るならEOS 5D+EF24-70mm F2.8L USMなどの組み合わせ、子供の行事や祭りなどを撮るならEOS 1D MarkⅢ+EF70-200mm F2.8L IS USMなどの組み合わせで使っています。
しかし、特に後者ではバッテリーなどを含めると2,800gオーバー、まさに3kgに迫る重さです。
車での移動が主なので何とかなりますが、持って歩くのはいささか辛い歳になってきました。

そんなわけで、コンパクトデジカメからミラーレスまで、色々な機種に手を出し、自分に合うものを探してきました。
特に、撮像センサーの比較的大きいミラーレス一眼は写りもよく、SONYのNEX-5Nはお気に入りの機種です。
また、レンズ交換なしに広角から超望遠まで撮影可能なFUJIFILM HS-20EXRの利便性も捨てがたいものでした。

しかし、NEX-5Nのキットレンズは18-55mm(35mm判換算27-82.5mm)の約3倍ズームと、それ一本で様々な撮影シーンをカバーできず、どうしてもレンズ交換が必要となります。
また、HS-20EXRは撮像センサーサイズが小さい(1/2型)こともあってか、特に望遠端での解像感が今ひとつでノイジーだという点に不満が残ります。
この点に関しては、新しいXシリーズであるX-S1も店頭で試してみたのですが(2/3型センサー搭載)、それほど大きな変化は実感できませんでした。

こうしたことから、当初はNEX-5N用の高倍率ズームレンズを購入し、一台での撮影シーンの幅と画質を両立させようと考えていました。
現時点で、NEX-5N用の高倍率ズームレンズは18-200mm(35mm判換算27-300mm)がSONYTAMRONから発売されています。
このレンズは開放F値がF3.5-6.3と同一で、手ぶれ補正(SONY製は動画にも適したアクティブモード搭載)も同様に搭載しています。
写りはそれぞれに評価が分かれ、重量はTAMRON製の方がやや軽く、価格はSONY製が70,000円弱(2012年2月現在)、TAMRON製はそれより5,000円程安い(同)水準でした。
つまり、どちらを買うにしても確実に60,000円以上はかかることになります。

この価格を目にすると、気持ちが揺らいできます。
そもそも、もとよりコンパクトなサイズと軽さが売りのNEXに、高倍率ズームをセットすることにより機動力は落ちるでしょう(NEX-5N本体は約270gでTAMRONレンズが460g)。
さらに、高倍率ズームはどうしても全域での写りを最適化することが難しく、得手不得手があるようです。

そんな中、恒例のモデルチェンジを控えたCanon EOS Kiss X5はかねてより気になる存在でした。
春に向けて新製品の発表があると思われる2月末現在、ダブルズームキットの価格は60,000円前後と、NEX用高倍率ズームレンズを下回る価格です。
ダブルズームキットには本体のほか、EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS ⅡとEF-S55-250mm F4-5.6 IS Ⅱの2本のレンズが付属しています。
つまり、レンズ交換の必要はあるにせよ、18mm-250mm(35mm判換算28.8mm-400mm)という広範囲をカバーできることになります。
ちょうどAPS-CサイズセンサーのEOSを持っていなかった私は、ついフラフラとこれに飛びついてしまいました。(^^)

いつものカメラのキタムラさんで購入、自宅に帰ってパッケージを開けます。
今回、ダブルズームキットにしたので、パッケージは巨大。
外箱の中には、通常のレンズキットの箱+望遠ズームレンズの箱が収められていました。
外箱を開けたところ

早速内箱を開け、本体とバッテリー、充電器とストラップを取り出します。
使うのはほぼこれだけなので、あとのものは箱に戻しました。
本体とバッテリー等

バッテリーは中級機EOSのものとは異なり、箱型のものです。
いくらか小ぶりに感じますが、現時点で特に不満はありません。
当然、充電器も独自のものとなります。

本体を持った印象は、やはり「軽い」と言うことです。
本体重量は、バッテリーやSDカード込みで約570gと、EOS 1D MarkⅢの半分以下となります。
ボディがプラスチック製ですが、持って不安になるようなきしみや脆弱さは感じられません。
もちろん、細部に造りの簡素化は感じられますが、これならひとまず満足です。

付属するレンズは、上述の通り2本。
今回、標準ズームレンズは当面使用しないので、撮影後箱に戻しました。
私の考えでは、標準ズーム域はNEX-5NやPowerShot S100での撮影をし、Kiss X5には望遠ズームをセットしたままにするつもりだからです。
当初は、使用しない標準ズームは新品同様のうちに売ってしまおうかとも思いましたが、旅行等でカメラを一台で賄いたい場合には使うかもしれないため、残しました。
標準ズーム(EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS Ⅱ) 望遠ズーム(EF-S55-250mm F4-5.6 IS Ⅱ)

本体を色々な角度から眺めてみます。
中級機と異なり、本体上面に液晶表示はなく、モードダイヤルが右肩に設置されています。
モードは様々なシーンに対応したものが備えられていますが、私はほとんど絞り優先(Av)モードしか使用しないため、他のモードのレビューは(現時点で)できません。(^^;)
ファインダーには視度調整機能が備わり、視野率は上下・左右とも約95%ですが、これは慣れの問題で解決できます。
もとより、トリミングや傾きの補正をソフトで行うことの多い私には、これくらいがちょうどよいのかもしれません。
本体上面より

背面の多くを占める液晶モニターは、3.0型で約104万ドット。
さすがに鮮明で、不足ありません。
バリアングルモニターで、撮影時の自由度は高いと思われますが、私は基本的にデジタル一眼レフでのライブビュー撮影はしないため、活躍する機会は限定されそうです。
ただし、天体撮影など、三脚に固定して上を狙う時等には重宝しそうです。
3.0型バリアングルモニター 液晶モニタの表示(通常撮影時)

本体にレンズをセットします。
前述の通り、現時点でX5は望遠ズーム専用モデルとなっていて、標準ズームレンズはまだ使用していません。
したがって、今回の撮影例は全てこのレンズ(EF-S55-250mm F4-5.6 IS Ⅱ)によるものです。
望遠ズームレンズをセット

本体同様、レンズにも様々なコストダウンは見られます。
特に、久しぶりにUSM(レンズ内超音波モーター)を使用していないレンズを使うと、AFのスピードや駆動音は気にならないと言えば嘘になります。
また、インナーフォーカスを非採用なので、AF駆動時にレンズ先端が回転し、伸び縮みします。
C-PLフィルターをつける方などは要注意です。
レンズフードやケースも付属しませんので、必要な方は別途購入する必要があります。
それらを差し引いて考えても、このレンズのコストパフォーマンスはなかなかのものです。
特に、肝心の写りに関しては、価格を考えると驚きを与えてくれました。

早速このカメラを持ち出し、撮影をしました。
くどいようですが、標準ズームレンズは使用しておりませんので、全て望遠ズームレンズ(EF-S55-250mm F4-5.6 IS Ⅱ)での撮影です。
画像は全てJPEG Lサイズにて撮影、リサイズのみで未加工です。
道の駅朝霧高原からの風景 清里の空

いずれの写りも私にとっては十分満足いくものです。
他のEOSシリーズと比較しても遜色ないと言えると思います。
撮影時、ファインダー内での合焦ポイントが分かりにくいなど、クラスなりの割り切り点はありますが、撮影自体にもそれほど違和感はありませんでした。
背面のサブダイヤルがないため、露出補正がボタン・ダイヤル併用となるのはちょっと困りましたが。
この望遠ズームレンズ、動作はともかく、写りは納得できます。

さらに、建物なども撮影します。
清里の光景 清里の光景

色ののりも鮮やかで、私好みです。
特に設定は弄っておらず、ホワイトバランスもオート、その他設定は露出補正以外出荷時のままです。
手に取ってそのまま撮影しても、これだけの画像が出ると言うのは、まさにエントリーユーザーにとってはありがたいことでしょう。

キットの望遠ズームレンズは開放F値がF4.5-5.6と、決して明るいとは言えない水準です。
それでも、望遠を活かしたボケ味はなかなか素直で、好感が持てました。
清里にて

さらに、250mm(35mm版換算で400mm)の望遠端での撮影を行いました。
これに関しても、充分満足できる解像感です。
写真は、日中で光線も十分という恵まれた環境での撮影ですが、それを差し引いて考えても、さすがAPS-Cセンサーのデジタル一眼レフの写りは、コンパクトデジカメとは明らかに一線を隔しています。
120229x514

このように、手に取り撮影すると感動すら覚えるX5ですが、少々難を言えば、暗所(光線不足)のシーンでの写りでしょうか。
写真下左は太陽が昇る前の富士山を撮影したものです。
ISOは400ですが、よく見ると暗部にはカラーノイズらしきものが乗っています。
さらに、下右は曇りの日の日の出前、まだ周囲が薄暗い状況での撮影です。
ISOは1600、ここまで来ると画面全体にノイズが乗っています。
ただし、この写真は手持ちで焦点距離70mm(35mm判で112mm相当)、シャッター速度1/25なので、解像感の弱さに関してはそれが原因かと思われます。
むしろ、この条件で目立った手ぶれがなく撮れるというのは手ぶれ補正(IS)の恩恵でしょう。
ISO400での撮影 ISO1600での撮影

最後に、逆光に関してです。
ズームレンズでありながら、このレンズは逆光にも弱くない印象です。
写真は、駿河湾、伊豆半島越しに太陽が昇りはじめた光景ですが、光芒も素直で、目立ったフレアやゴーストも出ていません。
これだけ撮れれば、ズームレンズとしては悪くないと思います。
まあ、薄雲があり、強烈な逆光下ではなかったこともあるかもしれませんが。
逆光での撮影

以上、使いはじめの所感は、エントリー機と言えどもしっかりとCanonのデジタル一眼レフなんだと言うことです。
モデル末期とあり、価格はハイエンドコンパクトデジカメやミラーレス機並み。
それでこれだけの写りが期待できるのであれば、まさにお買い得と言えるでしょう。
もちろん、ミラーレス機等と比較すれば本体は大きく重いですが、それでも望遠ズームをセットした重量は約960gと1kgを切ります。
むしろ、しっかりと撮る気にさせてくれる光学ファインダーを備えていることを考慮すると、こちらの方が使い勝手が上と言えるかもしれません。

相変わらずの偏った使い方(標準ズームレンズすら使っていない)で、一般的なユーザーの方の参考にはならないと思います。
それを承知で書いているので、お許しください。
いずれ使うであろう機能のうち、フラッシュ撮影、ライブビュー撮影、他のレンズでの撮影、動画撮影等に関しては、使用し次第所感を追記していきたいと思います。

拙いレビューにお付き合いいただき、ありがとうございます。

【2012年6月6日 追記】

先日、はじめてEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS Ⅱをつけて撮影をしました。
しかも、これまでとは打って変わって、室内でのフラッシュ撮影。
妻が子供を撮るカメラとしても活用したいとの申し出によるものです。
EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS Ⅱにて撮影

結論から言うと(ショット数は少ないですが)、このレンズもキットレンズとしては秀逸です。
もちろん、開放F値の関係で、室内ノーフラッシュは被写体ブレを量産します。
しかし、内臓フラッシュとの併用で、なかなかの画を出してくれます。
少なくとも、このサイズにリサイズして見る限り、何の問題もありません。

参考までに、下にピクセル等倍の切り出しも載せます。
カラーノイズは出ていますが、価格や手軽さを考えれば充分でしょう。
ピクセル等倍

今後、妻が幼稚園行事などに持ち出す機会も多くなります。
その際の写真等、また掲載していければと思っております。
キットレンズ、活用しなければもったいない品質ですね。

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コメント

こんにちは

この性能とズームレンズ2本が6万円台で手に入る
なんて、モデル末期とは言えほんとすごいですよね。
Kissシリーズはコストパフォーマンスがすごく高い
シリーズだと思います。

私がK-7を買う時に確かX3だったかをレンタルして
試用しました。いろいろ細かな設定をしたいために
K-7を選択しましたが、写りは上だったかもしれません。

今回はレビューということでセットのレンズ利用でしたが
5Dや1Dで使っているLレンズで撮ったらどうなんでしょう(^^)

投稿: ちびた | 2012/03/14 13:40

ちびたさん、ありがとうございます。
X5は、暗所性能(写り)が最近の機種としてはちょっと不満な点もありますが、このコストパフォーマンスは抜群ですね。
ペンタックスの一眼レフは使用したことがないのですが、画づくりには定評がありますし、知り合いもかなり使っています。
価格次第では、フラフラと手を出してしまいそうで・・・。(^^;)
他のレンズでの撮影、今しばらくお待ちください。
いずれ撮影をして、UPさせて頂きます。

投稿: あさぎり | 2012/03/15 06:59

Kiss X5とNEX-5Nのどちらかを購入しようと現在検討中なのですが、暗所・昼間ともに比較してみて、両方お持ちの感想からどちらの方が画質的には上回っていますか?
画質以外にももし興味深い比較があれば教えてください。

投稿: 朝霧 | 2012/04/15 20:39

朝霧さん、ありがとうございます。

画質面は正直言って得て不得手がありますので、一概には言えないと思います。
むしろ、何を主の被写体としたいのかによって変わってくるでしょう。

日々常に持ち歩き、室内・外問わずに気軽に撮るならNEXだと思います。
実際、室内(と言うか暗所)でのノイズの少なさやディテールの描画はNEXに軍配が上がるケースが多いと感じています。
また、私は動画はほとんど撮りませんが、動画を撮るならNEXの方が高評価のようです。

反面、Kissはキットレンズが優秀です。
特に、ダブルズームキットのEF-S55-250mmは、屋外での撮影ではハッと驚くような画が出ることも多いです。
また、NEXはキットレンズ以外のバリエーションが少なく、そうした意味でもKissの方が拡張性は明らかに上です。
さらに、動く被写体を撮る時には、ファインダー+位相差AFのKissが有利でしょう。

上にも書いたように、どちらの画質が優れているかは撮影のシチュエーションによっても変わってきます。
つまり、ここで明らかな甲乙をつけるのは難しいと思います。

私なら、室内撮りも多い家族旅行や、料理等を撮るならNEX(さすがに飲食店でデジタル一眼レフは気がひけるため)を選択します。
一方で、運動会や撮影旅行なら、Kiss(ダブルズームキット)を選択します。
どちらか一台と言うなら、Kiss X5のダブルズームキットを購入するでしょう。
大は小を兼ねますし、現在の価格はコストパフォーマンス抜群です。(^^)

ご参考になりましたでしょうか。

投稿: あさぎり | 2012/04/15 22:33

とても詳しい説明ありがとうございます。
特に暗所に強いとの指摘でNEX-5n購入に気持ちが傾きつつあります。
やはり小さいながらもAPS-Cサイズのセンサーというのが大きな魅力ですよね。
ただ1点だけ気になっているのが、ネット等での参考画像を見る限りでは、Kissよりも写真がデジタルっぽい滲みというか輪郭の変色があるような気がしていますがKissと両方持っている方からすると、スクリーン上、印刷後の仕上がりに違いはありますでしょうか?

投稿: 朝霧 | 2012/04/16 18:38

朝霧さん、ありがとうございます。
私レベルで細かい色の滲みまで判別できるほどの目を持っていませんので、あくまでも感覚のみでお答えします。

私的には、光線が充分な状況で撮影した場合には、双方に際立った差はないような気がしています。
ただし、NEX-5Nは暗所に強い(高ISOへの耐性が高い)ためか、ISOをオートにして撮影すると、カメラがISOを高目に設定していく傾向があります。
このあたりが、JPEGの画像処理と相まって、そうした色滲みにつながってくる可能性はありますね。

また、EOS Kiss X5に搭載されている画像処理エンジンDIGIC4は多くのカメラに搭載され、技術的にもこなれています。
最新のDIGIC5にその座を譲ったとはいえ、プロ機にまで搭載されている処理能力にはやはり一日の長があるのかもしれません。

確かに、私もここぞという時にはEOSを持ち出しますし、無意識のうちにその差を感じていることは事実でしょう。
画質を追及するのでしたら、ミラーレスよりデジタル一眼レフというのは(レンズの選択肢も含めて)あると思います。

まったく同じシチュエーションを同時に撮ったことがないので何とも言えませんが、ご容赦ください。
ここぞの画質を取るか、撮影シーンの広がりを取るか、悩ましい限りですね。

投稿: あさぎり | 2012/04/17 08:02

実際に両機を使っている方からの感想で非常に参考になりました!
ありがとうございます。
これからも素敵な写真を紹介し続けてください。

投稿: 朝霧 | 2012/04/17 11:35

朝霧さん、こちらこそありがとうございます。
拙い乾燥で申し訳ございませんが、ご参考にしていただければ幸いです。
フォトライフを楽しみたいですね!(^^)

投稿: あさぎり | 2012/04/17 11:42

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